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[BOOKデータベースより]
何が「解決」で何が「放置」されるのか?公害・環境問題は健康問題や社会問題との因果関係が見えにくく、「被害放置」の構造が現れやすい。そこには被害が認められず切り捨てられ、放置された被害者が残存しているのである。本書はこうした問題を抱えた各事例の検証を通じ、その解決過程には被害住民・地域ごとに異なった特性を有していることを明らかにする。福島第一原発事故以降、揺れる日本の公害・環境政策にも大いに示唆を与える研究。
序 放置の構造と解決との関係
第1章 解決と放置をめぐる社会過程―構造的要因と変革への動き
第2章 判決後40年間のイタイイタイ病住民運動と公害問題「解決」の意味―イタイイタイ病問題とカドミウム問題の「ずれ」を通して
第3章 大分市大気汚染公害と新産業都市開発―大気汚染被害はいかに否定されたか
第4章 関あじ・関さばの誕生―大分・佐賀関における公害・開発問題との関連
第5章 アスベスト被害の救済をめぐる矛盾と放置
第6章 職業性がんの解決過程と行政対応―和歌山ベンジジン問題と大阪印刷業胆管がん問題から
第7章 辺境の公害からのグローバリズム―土呂久慢性砒素中毒とアジアの砒素汚染対策
第8章 インド・ボパール事件をめぐる被害拡大と国際的支援の展開
第9章 福島原発事故における避難指示解除と地域再建への課題―解決過程の被害拡大と環境正義に関連して