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[BOOKデータベースより]
平和を訴えても、「悪」を排除しても、戦争はなくならない。「紛争屋」が高校生に語る、日本人と戦争のこれから。
講義の前に 日本の平和って、何だろう?
1章 もしもビンラディンが新宿歌舞伎町で殺害されたとしたら
2章 戦争はすべて、セキュリタイゼーションで起きる
3章 もしも自衛隊が海外で民間人を殺してしまったら
4章 戦争が終わっても
5章 対立を仕切る
もしもビンラディンが、新宿歌舞伎町で殺されたとしたら。平和を訴えても、「悪」を排除しても、戦争はなくならない。プレハブ校舎にて、「紛争屋」が高校生に本気で語った、日本人と戦争のこれから。
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プレハブ校舎にて、「紛争屋」が高校生に本気で語った、日本人と戦争のこれから。
「もしもビンラディンが、新宿歌舞伎町で殺されたとしたら?」
「9条で、日本人が変わる?」
「アメリカ大好き、と言いながら、戦争を止めることは可能か?」
平和を訴えても、「悪」を排除しても、戦争はなくならない。
「全ての問題には必ず何らかの政治的決着――戦争や武力闘争も含めて――があるとして、それをできるだけ早期に、そして、なるべく人が血を流さないものに軟着陸させる」
*
僕は、人をたくさん殺した人や、殺された側の人々の恨みが充満する現場に、まったく好き好んでじゃないけれど身を置き、人生の成り行きで仕事をしてきました。
正直言って、楽しい想い出はありません。だって、今、目の前の人間が大量殺人の責任者で、自身も実際に手をかけているのがわかっているのに、笑顔で話し合わなければならないんですから。
こういう話は、日本の日常生活とかけ離れていて、別世界で起こっていることのように聞こえるかもしれない。でも、所詮、人間がすること。同じ人間がすることなのです。
なるべく、日本人が直面している問題、過去から現在に引きずっている構造的なものに関連させて、僕が現場で経験し、考えたことを君たちにぶつけてみたいと思います。
扱う国と時代を行ったり来たりすることになると思うけど、ついてきてくださいね。(「講義の前に」より)