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[BOOKデータベースより]
江戸時代、“乞食桃水”と呼ばれたひとりの男がいた。もとはレッキとした和尚だが、何を思ったか、寺を飛び出した。それより、乞食の仲間となり、また草鞋づくりの爺となり、最後は、京都洛北で酢を売って暮らした。その奇行と風狂は、ただの風顛漢か、あるいは、真の禅者か。
仏像がオモチャがわり
[日販商品データベースより]葵の花はなぜ赤い
和尚、行脚に出る
垣根の塔婆を川へ流す
閑居、長物なし
菜園のコヤシ撒き
町奉行所へ出頭せよ
花壇の花を刈り倒す
和尚、韜晦のはじめ
乞食隊裡の桃水和尚
世間の是非、我れ関せず
乞食を埋葬する
大津の翁が馬沓
大津の翁はただ者にあらず
尼弟子と真の布施
有馬湯台の一幕
桃水和尚、老いる
豪商角倉の帰依
桃水、酢屋の通念となる
遷化
江戸時代、寺を飛び出し、乞食の仲間に入って無一物の生活に徹したひとりの禅僧がいた。その奇行と風狂、生き方に、真の禅者の姿と、出家としての覚悟を見る。