2012年 2月号
原ゆたかYutaka Hara
都内有数のランドマークに隣接するマンションの一室。執筆は部屋の中央にあるデスク上のパソコンで行い、室内にはもう一台、彩色用のパソコンもある。すっきりとしたモダンなアトリエだが、コレクションであるゴジラのフィギュアやゾロリグッズが目に楽しい。
ストーリーを考えているときは、「フラフラして喫茶店を回ったりしています。だいたいテーマが決まってくると、寝ているときにも紙とペンを脇に置いておいて、ひとつの小さいストーリーが頭に浮かぶとぱっとメモをする。そうやって固めていくのですが、毎回次の作品を始めるときには〈本ってどうやって書くんだっけ?〉と思います(笑)」。
累計三千二百万部を誇る児童書の大人気シリーズ『かいけつゾロリ』が、『はなよめとゾロリじょう』で、シリーズ開始二十四年目にして五十巻に到達した。立派なお城とかわいいお嫁さんを手に入れるべく旅を続けるゾロリ。見つけたら懸賞金百億円というお宝を手に入れるが……。ついにクライマックス か(!?) と注目のシリーズ最新作だ。
「子どものときに漫画を描いていて、〈どうだ、おもしろいだろう〉とクラスのみんなに見せて回すと何か文句を言ってくる。それなら次はもっとおもしろく、というその当時と同じ感覚」で執筆を続けてきた。映画や芝居、アニメ、漫画などを見るのが好きで造詣が深いが、「これは使えるな、このアイデアはいいなという目で見てしまうから、どこかで仕事モードですね」。フィギュアやおもちゃのコレクションも「ゾロリの付録やおもちゃなど全部仕事に活きています」。
(日販発行:月刊「新刊展望」2012年2月号より)
今月の作品
- かいけつゾロリはなよめとゾロリじょう
- 見つけたら懸賞金100億円というお宝を手にいれたゾロリ。無事にお宝をとどけ、お城とお嫁さんをゲットできるのか…。カバー裏に「毎讀新聞」を掲載。初回限定のスペシャルフィギュア付き。