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特集・対談

著者関連商品

校閲ガール
宮木あや子
ファッション誌の編集者になる夢を抱えて出版社に就職した河野悦子が、配属されたのは校閲部。担当する原稿や周囲で、ちょっとした事件が起こり…。読んでスッキリ、元気になる、最強のワーキングガールズエンタメ。
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神様のケーキを頬ばるまで
彩瀬まる
なにげなく働いているように見えるあの人も、本当は何かに悩んでいるのかもしれない…。ブレイク必至の新鋭が、ありふれた雑居ビルを舞台に、つまずき転んで、それでも立ち上がる人の姿を描いた感動作。
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花宵道中
宮木あや子
どんな男に抱かれても、心が疼いたことはない。誰かに惚れる弱さなど、とっくに捨てた筈だった。あの日、あんたに逢うまでは―初めて愛した男の前で客に抱かれる朝霧、思い人を胸に初見世の夜を過ごす茜、弟へ禁忌の恋心を秘める霧里、美貌を持てあまし姉女郎に欲情する緑…儚く残酷な宿命の中で、自分の道に花咲かせ散っていった遊女たち。江戸末期の新吉原を舞台に綴られる、官能純愛絵巻。
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骨を彩る
彩瀬まる
なかったことにできない、色とりどりの記憶が、今、あなたに降り注ぐ…。心に「ない」を抱えるすべての人へ。読む人によって涙する場所が違う、不思議な物語。ただ、読後に残るのは鮮やかな希望。
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ガラシャ
宮木あや子
明智光秀の娘として美しく成長した玉子。主君である織田信長の媒酌で、細川藤孝の子・忠興と華燭の典を挙げ、平穏な日々を送っていた。だが、突如発生した本能寺の変。実父の犯した罪により蟄居を命じられた玉子は、幽閉先で出会った男に惹かれてしまう。愛の何たるかも知らず妻となった女を苦しめる恋の業火―。絶世の美女と謳われた細川ガラシャの人生を描く華麗なる戦国純愛絵巻。
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暗い夜、星を数えて
彩瀬まる
ひとりで東北を旅行中、常磐線の新地駅で被災した私。情報も食べ物も東京へ帰るすべもないまま、死を覚悟して福島をさまよった5日間。若き女性作家があの日からの被災地をつぶさに見つめた胸つまるルポルタージュ。
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文芸あねもね
彩瀬まる
生きていれば、きっとある。恋が終わり、夢が破れ、自分が損なわれる瞬間が。でも、そこから立ち上がりまた歩き出す瞬間も、きっと―。3.11の後、「今、自分たちにできること」をしようとペンを執った10人の女性作家たち。そして2011年7月、その想いは全額寄付を目的としたチャリティ同人誌へと結実した。電子書籍から生まれた、再生への希望きらめく小説集、待望の文庫化。
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2014年 6月号

【対談】 宮木あや子×彩瀬まる 作家同士、書くこと、読むこと。

普段から仲良しの女性作家2人が語る、お互いの作品と、「作家仲間」という存在について。
宮木あや子 Ayako Miyagi
2006年、『花宵道中』で第5回「女による女のためのR-18文学賞」大賞と読者賞をW受賞しデビュー。著書に、『雨の塔』『群青』『泥(こひ)ぞつもりて』『野良女』『憧憬☆カトマンズ』『学園大奥』『校閲ガール』など。震災復興支援を目的とした女性作家たちの同人誌『文芸あねもね』に参加。2013年、『セレモニー黒真珠』で第9回酒飲み書店員大賞を受賞。『花宵道中』は、安達祐実主演で映画化され、今秋公開予定。

彩瀬まる Maru Ayase
1986年、千葉県千葉市生まれ。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。手触りのある生々しい筆致と豊かなイメージにあふれた作品世界で高い評価を得ている。2012年、東日本大震災の被災記『暗い夜、星を数えて 3・11被災鉄道からの脱出』を発表。『文芸あねもね』に参加。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『神様のケーキを頬ばるまで』がある。

A面とB面、2つの世界観

彩瀬 『校閲ガール』の主人公・河野悦子(こうのえつこ)は、もともと校閲をやりたかったわけではなくて、ファッション雑誌へのあこがれが強い女の子。いつか編集に行きたいと思っているという設定は、初めから頭に浮かんでいたんですか。
宮木 1話書き終わったらそういう子になっていた、という感じです。(掲載された)「ダ・ヴィンチ」の読者が好きそうな、わかりやすい女の子を、と思って書いていたら悦子ができていたの。
彩瀬 なぜ校閲の話を書こうと思ったんですか。
宮木 『書店ガール』(碧野圭著・PHP文芸文庫)と『編集ガール!』(五十嵐貴久著・祥伝社)という本があるんです。私も書籍まわりの○○ガールというのを出したいと思ったけれど、あと知っているのが校閲しかなかった。校閲に移った元担当編集者に話を聞いて、ほかにも校閲部の方をご紹介いただいたり。ファッション雑誌の編集部の方にも取材させていただきました。
彩瀬 ファッション系のことも結構書かれていますよね。私、まだ『校閲ガール』に出てくるファッション用語を、ウィキペディアで調べ終わっていません。
宮木 何でも聞いて! 教えるから。校閲担当の人もいくつか見逃していたくらい。
彩瀬 それを見直して、ここ間違ってるってわかるんですか。
宮木 調べ直したら、今ではそのセレクトショップに入っていないブランドを書いてしまっていたの。
彩瀬 それは、校閲さん泣かせですね(笑)。前に宮木さんは、「『校閲ガール』の主人公は、歴代の主人公で珍しく自分に似ている」とおっしゃってましたよね。悦子の、テンションが上がったときに相手を罵倒するリズムがいいですね。
宮木 ほめられてるのかな(笑)。
彩瀬 ほめてますよ。主人公が自分の夢に肉食系な女の子で、痛快だなと思いました。

―キャラクターは、物語が進むうちに、自然とでき上がっていくものなのですか。
宮木 そうですね。なんとなくイメージができていて、書いていくうちに定まっていきます。外見は考えますが、性格はあまり決めていませんね。
彩瀬 私もあるシーンを思い浮かべて、この主人公ならこう反応するだろうなといったイメージはありますが、モノローグを書くうちに人物像が固まっていく感じです。前にも編集さんに、主人公の名前が話の真ん中くらいまで出てきませんねと言われたのですが、実際に、そのくらいまで主人公の名前を考えていないこともあります。
宮木 私もよくあります。
彩瀬 「河野悦子」は、「名前がそれっぽいから校閲に配属になった」という設定ですよね。
宮木 悦子だけはすぐに決まりました。
彩瀬 『校閲ガール』の前に『ガラシャ』を読んでいたので、ページの進み方の違いにクラクラしました。書く速度も変わりませんか、この2作。
宮木 全然違いますね。書いているテンションとかも。

―宮木さんご自身、繊細で叙情的な作品群をA面、女性たちの本音を痛快に描く、コミカルな作風をB面とおっしゃっていますが、同じ人が書いたとは思えないほど世界観が違いますね。
宮木 できればA面とB面を交互に書きたいけれど、最近はB面の依頼が多くて、そればかり書いているとすごく疲れます。
彩瀬 B面のほうが疲れるんですか。
宮木 「これ、本当におもしろいのかな」と思いながら書いているから。「ところどころ笑いも含みつつ、軽快な文章で飽きさせないように」というおもしろさのツボが、人とずれているのではないかと不安が常にある。
彩瀬 心配ないと思いますけれど。
宮木 私の好きになったお笑い芸人は、全員消えるの。だから、人とツボが違うのかなと思って。
私も今回対談することになって、読み逃していた『骨を彩る』を読みました。素晴らしかった。特に第1話がすごかった。
彩瀬 ありがとうございます。心強いです。私と宮木さん、好きになる作家の傾向はまったく違いますよね。
宮木 誰が好き?
彩瀬 浅田次郎さんと川上弘美さん。
宮木 私は三浦しをんさんと皆川博子さん。そうね、違うね。
彩瀬 それなのに、私は『校閲ガール』ですごくテンションが上がって、宮木さんが『骨を彩る』をほめてくれたりすると、好きなものが違っても交わるものなのだなあと。
宮木 たぶん同じ職業だからじゃないかな。
彩瀬 『校閲ガール』を読んで三浦しをんさんが好きというのはわかりますが、『ガラシャ』を読むと好きな作家がよくわからない。
宮木 久世光彦さんもすごく好き。『陛下』とか、生々しいけれど美しい。
彩瀬 美しいものが好きというのは、常に一本筋が通っていますね。『ガラシャ』もレース編みみたいに描写が 凝っている。

「作家仲間」という友人

 ―『骨を彩る』もそうですが、彩瀬さんはご自身より上の世代を書かれることが多いという印象があります。
彩瀬 私と同年代だと結婚している人が少なくて、ちょっと上くらいの方が家族や家庭が絡みやすい。結果的に書くことが多くなりますね。
宮木 よく書けるなあといつも思う。『骨を彩る』の1話で1番衝撃を受けたのがそれ。主人公がおじさんで、娘がいて、その母親が亡くなっていて。
彩瀬 家族の中で母親や父親を見ているから、その30代、40代のときの印象がなんとなく残っていて、それをもとに書いています。母親がわりと早くに亡くなったので、そこで大人の女性のイメージが途切れてしまったのですが、仕事をしていると、40代、50代の人と接する機会があるので、こういうふうな仕事の仕方をするものなのか、といったことをつかみやすくなりました。

 ―ものすごい観察眼だと思います。
彩瀬 『骨を彩る』で年上の男女を書いたことが修行になり、『神様のケーキを頬ばるまで』では年齢や性格が自分から遠い人物でもだいぶ落ちついて書けた気がします。今回は担当編集者が男性だったので、男性キャラクターを書くのも安心感がありました。
宮木 『神様のケーキ―』は後半の2編が特に好きです。一流商社に勤めるモテモテの彼との関係を、前進させたいと悩むOLが主人公の「光る背中」。共同経営者とケンカ別れした元カフェ店員が、新しい幸福を見つける「塔は崩れ、食事は止まず」。まるちゃんは「光る背中」で苦しんだんだよね。ライトな語り口が苦手って。
彩瀬 そうなんです。ライトな文体とイケメンが書けない。(作家の)柚木麻子さんが、「まるちゃんの書く男は、毛玉だらけの使い慣れた古いブランケットみたい」って。ほめてない(笑)。
宮木 居心地の良さそうな男の人でいいじゃない。「光る背中」の彼は、見た目が整っていて、いい会社に勤めるイケメンではあるけれど、そういうイケメンに興味がない作家なんだなということはわかる(笑)。
彩瀬 3話まで書いて、そこまでが真面目な話だったし、恋愛要素がちょっと少ないなと思って。連作短編なので読者の人に一息入れてもらおうと、サクサク読めて、ちょっとおどけた感じを入れつつ書きました。
宮木 まるちゃんの文章は、しみじみとしたおかしみが入っていていいなあと思う。ライトな話も、もっと書けばいいのに。
彩瀬 読み始めたら、「最後までひたすら楽しい」小説も書けたらいいなと思うのですが。
宮木 いま出ている3冊の小説は、だいたい半径500メートルくらいの話だよね。この間2人で話したときにも、風呂敷を広げられないって。
彩瀬 そうしたら宮木さんが歴史小説を書いたらと。
宮木 歴史小説は、題材としてすでに風呂敷が広げられている状態で、それを自分なりにどうやってきれいに畳んでいくかという作業。歴史小説を書くことで、風呂敷を畳まざるをえない状況に自分を追い込めば、広げることもできるようになるかなと。『ガラシャ』も参考になるかもしれない。

(2014.4.18)

(日販発行:月刊「新刊展望」2014年6月号より)

対談はまだまだ続きます。続きは「新刊展望」2014年6月号で!

Web新刊展望は、情報誌「新刊展望」の一部を掲載したものです。

新刊展望 2014年6月号
【主な内容】
[対談]宮木あや子×彩瀬まる 作家同士、書くこと、読むこと。
[インタビュー]原田マハさん、白石一文さん
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