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著者とその本

今月の作品

豆の上で眠る
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著者関連商品

白ゆき姫殺人事件
化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人々への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方、匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。
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高校入試
名門橘第一高校の入試前日、教室の黒板に「入試をぶっつぶす」の貼り紙が見つかり、入試当日、振り回される学校側と思惑を抱えた受験生。謎に充ちた長い1日が始まった…。湊かなえ渾身の書き下ろしミステリ長編。
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2014年 5月号
湊 かなえさん 『豆の上で眠る』

こんな童話をご存じだろうか。〈本当のお姫さま〉を探し求める王子さまの前に、嵐の夜、1人の少女が現れる。自分は本当のお姫さまだという少女の言葉を確かめるため、王妃はベッドに1粒のえんどう豆を置き、その上に何十枚と布団を重ねて、少女を寝かせる。朝になり、王妃がよく眠れたかと訊ねると、少女は何か固いものが身体に当たり、眠れなかったと答えた─。
豆の上で眠る』は、このアンデルセン童話「えんどうまめの上にねたおひめさま」をモチーフにしたミステリーだ。

13年前、神社の裏山で共に遊んだ帰り道、1人先に帰った8歳の姉・万佑子が忽然と姿を消した。2年後、記憶を失い戻ってきた姉に、妹の結衣子は強い違和感を覚える。「あの子は本物の万佑子ちゃんなのだろうか」。大学生の今も、疑念を抱く結衣子の脳裏に染み出す、大好きだった姉との思い出と事件の記憶。母の見舞いに帰省した結衣子は、真実を隠す覆いを1枚1枚剥ぎ取りながら、豆粒のようにしこったままの、違和感の核心へと近づいていく。

著者自身も、4歳下の妹を持つ2人姉妹。妹は、大人になったいまでは共通の思い出を一緒に振り返ることのできる「ありがたい存在」だが、「子どもの頃は、親に当たり前のように『仲良くするんだよ』と言われても、〈たまたま同じ家に生まれた人〉という気持ち」だった。
「子どもが行方不明になったら、親はすべてをなげうってその子を探すでしょう。子どもにとっても親は、その人なくしては自分がこの世に存在しなかった、特別な存在。ならば姉妹はお互いのためにどこまでできるのか、主人公である結衣子をとことん追い詰めながら、考えてみたかったんです」

渦中にいながら肝心なことは教えてもらえない。そんな子ども時代の結衣子の視点から見ることで、物語はさらに謎を深めていく。母親に姉探しをさせられ、小さな町で周囲との溝は広がるばかり。姉が見つかった後も、自分だけが彼女を受け入れられず、結衣子は「本物」の万佑子にこだわり続ける。しかし「本物」とは、人と人のつながりとは何なのか。それが、姉妹の葛藤を通して描かれる、もう1つのテーマでもある。

誰もが大事な人のため、必死になった結果が生んだすれ違い。すべてが明らかになったとき、その思いが改めて胸に迫る、人物造形の奥深さも本作の魅力だ。執筆時には、どの登場人物に対しても、行動の意味と心情に思いを馳せるという湊さん。それが書き手の楽しみであり、「読者の読む楽しみにつながるのでは。(本作も)置かれた環境や家族の構成によって、共感できる人物が変わってくると思います」。

失踪事件の真相に迫る、ミステリーとしてのおもしろさもたっぷり。「ハラハラドキドキを楽しみながら、本物のつながりとは何なのか、考えながら読んでいただけるとうれしいですね」

(日販発行:月刊「新刊展望」2014年5月号より)

今月の作品

豆の上で眠る
「お姉ちゃん。あなたは、本物なの」…。13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には「違和感」が残り続けていた。「価値観」を激しく揺さぶる長編ミステリー。
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プロフィール

湊 かなえ
湊 かなえ
Kanae Minato
広島県生まれ。2007年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。同作を収録する『告白』が2008年に刊行され、同年の「週刊文春ミステリーベスト10」で国内部門第1位に選出、2009年には第6回本屋大賞を受賞した。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。他の著書に『少女』『贖罪』『Nのために』『夜行観覧車』『往復書簡』『花の鎖』『境遇』『サファイア』『白ゆき姫殺人事件』『母性』『望郷』『高校入試』がある。

新刊展望のご案内

新刊展望 2014年5月号
【今月の主な内容】
[特集]文豪で遊ぼう 「文豪ストレイドッグス」ほか
[インタビュー]湊かなえさん、樋口直哉さん
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著者関連商品

望郷
愛すること、憎むこと、赦すこと、そして闘うこと…。島に生まれ育った人々の、島を愛し島を憎む、複雑な心模様が生み出す様々な事件。日本推理作家協会賞短編部門受賞作「海の星」ほか傑作全6編。
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