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特集・対談

2014年 4月号

【特集】読書がもっと楽しくなる「本屋大賞」に注目!

全国書店員の投票で決定する「本屋大賞」。2014年の大賞発表は4月8日です。本屋大賞を運営する書店員さん、投票に参加している書店員さんたちに、お話をうかがいました。

[インタビュー]NPO 本屋大賞実行委員会 理事 高頭佐和子さん │ [インタビュー]リブロ池袋本店 矢部潤子さん
[インタビュー]三省堂書店有楽町店 新井見枝香さん 佐藤智子さん │ [作品一覧]2014年本屋大賞ノミネート全作品

本屋大賞実行委員に聞く―本屋大賞のこれまでとこれから
NPO 本屋大賞実行委員会 理事 高頭佐和子さん(丸善ラゾーナ川崎店書籍グループ一般書売場チーフ)

本屋大賞のあゆみ

――高頭さんは本屋大賞設立当初から実行委員として活躍されていますね。まずは本屋大賞誕生の経緯、当時の思い出などを。

最初は、書店員の仲間が集まって食事したりお酒を飲んだりしている中で「自分たちでこんなことができたらいいね」と話していた、ネタみたいなものだったんです。「本の雑誌」の営業の方に「私たちに何か1ページやらせて」みたいな話をしていたところ、それを彼が「web本の雑誌」スタッフの方に話し、「おもしろいね、皆でやってみよう」ということになり、有志が集まって始めました。
第1回受賞作の発表会は、2004年4月。今年で11回目になります。始めたときは「お祭り的に一度やってみようよ」くらいの気持ちで。こんなふうにみなさんに興味を持っていただけるようなものになるとは、思ってもみませんでした。
実行委員会は2005年末にNPO法人化し、いろいろな方からご協力もいただけるようになりましたが、そこに至るまでは大変なことも結構ありました。でも、本屋大賞をきっかけに全国の書店員とつながりが持てるようになりましたし、業界内外にかかわらず本屋大賞を応援してくださるたくさんの方に出会えました。そして、お客様、作家の方々が本屋大賞を喜んでくださったことがとてもうれしいです。

――今までの受賞作の中で、印象に残っている作品は?

個人的に特に思い出深い作品が2つあります。
まず、第1回の『博士の愛した数式』。小川洋子さん、とっても好きなんです。この作品も大好きでした。そして、第1回ということで本屋大賞がまだ海の物とも山の物ともつかない賞だったにもかかわらず、小川さんは受賞をすごく喜んでくださった。そのとき、「本屋大賞ってこういう賞なんだ」と初めてわかった気がしました。当時は規模も小さかったですが、書店員が集まって素晴らしい本とその作家を囲み、思いを1つにする。そんな賞なんだなと。第1回の受賞作がこの作品だったことで、本屋大賞の方向性が決まったと思います。
2つ目は、第5回の『ゴールデンスランバー』。伊坂幸太郎さんを私は「ミスター本屋大賞」と呼ばせていただいていました(笑)。それまで本屋大賞ノミネート最多だったのが伊坂さんなんです。毎年、しかも複数の作品がノミネートされることもあって、それで票が割れてしまったり。つまり、どれだけ多くの書店員が伊坂さんのことを好きかということですよ。その、みんなが好きな伊坂さんが、ようやく『ゴールデンスランバー』で受賞された。「5年目」という節目だったこともあり、思い出深い回です。『ゴールデンスランバー』は今も大好きな小説です。 ただ、どの回にもそれぞれ思い出はたくさんありますし、本当にどれもおもしろい作品だったなと思います。

――今年の本屋大賞ノミネート作についてはいかがでしょうか。

エンタメ路線、純文学路線、気持ちを励ましてくれる物語、歴史もの、いろいろなタイプが揃っています。どれもおもしろい作品ばかり。どれが大賞になるのか、本当にわからないですね。楽しみです。もちろん自分も投票するわけですが、どれに投票しようか、迷いに迷っています。本音を言えば、順位なんてつけたくないんです(笑)。

過去受賞作の文庫が一堂に

――「本屋大賞文庫フェア」は、今回初めて企画されたものですね。「被災地支援」の側面もあるそうですが。

東日本大震災以後、私たちにできることは何かないのか、ずっと考えてきました。そんな中、これまで3年間、被災地の読書環境復活のために活動を続けてきた〈大震災〉出版対策本部からお話をいただき、一緒にこのフェアを企画しました。「本屋大賞文庫フェア」の帯がついている文庫本をお買い上げいただくと、売上の一部が出版社から〈大震災〉対策本部に寄付され、その寄付金で購入した図書カードが被災地の小学校に届けられます。フェアの本を買って読んでいただくことが被災地支援になるという形です。

――このフェアのポイントは?

オリジナルリーフレットです。数量限定ですので、お早めにゲットしてください。内容は、「本屋大賞10周年全ノミネート作品リスト」。過去10回の本屋大賞ノミネート作品を一覧で掲載し、さらに「読んだチェック」欄を設けました。ご自分でチェック欄に書き込んで、未読の作品があれば、この機会にぜひお読みいただきたいと思います。どれもおもしろい作品ばかり、間違いなく揃っていますので。
私自身はもちろん、このリストに載っている本は全部読んできたわけですが、実は忘れているものも多かったりして(笑)。リストを片手に、文庫で再読するつもりです。フェアの本は各年の3位まで、店によっては大賞受賞作だけとなりますが、このリーフレットをもとにして、いろいろ読んでみてください。
若い世代の方も楽しめる作品ばかりです。ハードカバーは高くて買えないという10代の人たちも、自分の好みに合うものを見つけて、文庫をご購入いただければと思います。おもしろい小説を読みたい!という方には絶対にオススメです。

――本屋大賞について、読者のみなさんに伝えたいことは?

本屋大賞は、書店員1人1人が自分のお金で買った本を、自分の時間を使って読み、投票している賞です。業界を盛り上げたい、そしてお客様が本屋に足を運んでくださるようにとの思いで、私たちは本屋大賞を作りました。受賞作もノミネート作ももちろん読んでいただきたいですが、一次投票ではそれ以外の本を投票している書店員もいっぱいいますので、ぜひ本屋に足を運んで、手にとってみてください。
読者に近い場所で働く者として、もっと多くの方に読んでほしいと思った本をお客様におすすめしたい、その気持ちを表現できる機会だと思っています。「友達がいいと言ってた本、ちょっと読んでみよう」といった感覚で、「いつも行く本屋のレジにいる人がいいと言っている本」「全国の書店員に人気があった本」を、気軽に手にしていただきたいです。

(2014.2.19)

「お墨付き」の作品群で読書の幅を広げよう
リブロ池袋本店 マネージャー 矢部潤子さん

――書店員さんとしてのご経歴を教えてください。

学校を卒業してからずっと書店員で、一貫して売場にいます。いまは当店の文芸書、文庫、新書、ビジネス書を扱っているフロアを担当しています。

――今年は「本屋大賞」とともに、過去のノミネート作品を集めた「本屋大賞文庫フェア」が開催されます。

「本屋大賞」も今年で11回目。文庫フェアのリストを見ると、「こんなにおもしろい作品を選んできました」という歴史が感じられるラインナップになっています。今年のノミネート作品と合わせて展開することで、本屋大賞を盛り上げていきたいと思います。

――「本屋大賞」は2012年12月から2013年11月まで、「文庫フェア」は過去10年間のおすすめ作品が揃っているわけですから、要チェックですね。過去のノミネート作品で1番印象に残っている作品は何ですか。

第1回に大賞を受賞した『博士の愛した数式』(小川洋子著・新潮文庫)でしょうか。前評判も高く、「新潮」掲載時に読んだときから注目していた作品でした。私が投票に参加したのは、第1回に知り合いの実行委員に声をかけられたのが最初でしたので、より思い出深いですね。

――ここ数年で、「本屋大賞」の注目度と影響力はぐっと上がっている気がします。

「本屋大賞」は書店員が手弁当でここまで大きくした賞なので、実行委員のみなさんは大変だったと思います。私自身は賞の運営には携わっていませんが、(前回の大賞受賞者である)百田尚樹さんのように喜んでいただく姿を見ると、良かったなと思いますね。

――「本屋大賞」のノミネート作品は、まさに本のプロである書店員さんのお墨付き、といった感じがします。

ノミネート作は、国内の小説ならジャンルにかかわらず、「おもしろい、お客様にも薦めたい」という線引きのみで選ばれています。「どれを買っても読んで損はさせません」という、内容の保証された作品ばかり。特に今年は、ミステリーから恋愛、純文学が対象の芥川賞候補作まで揃っていますので、「何か面白い本はないかな」「これから何を読もうかな」という方は、ノミネート作の中から選んでいただくと外れがないのではないでしょうか。読書の幅を広げる、思いがけない本との出会いがきっとあるはずです。
ぜひ4月8日の本屋大賞発表までに、多くの方に手に取っていただきたいですね。

(2014.2.14)

本屋大賞には、おもしろい本が確実に揃っています!
三省堂書店有楽町店 新井見枝香さん 佐藤智子さん

年に一度の本屋のお祭り

――本屋大賞の投票にはいつから参加されていますか。

新井 今年で3回目になります。初めて参加したとき私はまだアルバイトだったんですが、書店で働いていれば誰でもできると聞いて、自分から手を挙げました。興味があったので。

佐藤 私も同じく3回目。当時働いていた海老名店の文芸書担当として参加し始めました。有楽町店に異動して今は新書、資格試験書などを担当しています。文芸担当を離れてしまうと本屋大賞に参加しないという書店員は多いですが、私は自分が楽しいし、少しでも盛り上げられればという思いもあって続けています。

――投票締切までの期間内にノミネート作品を全部読破するのは、かなり大変なことだと思います。そんな中で楽しみはどんなところにありますか。

佐藤 「あと3冊も読まなきゃいけないよ、どうしよう?!」なんて同僚と騒ぐのも楽しみのうちです(笑)。本屋らしいなと思えて。

新井 ほかの書店の人と会合などで一緒になると、「何冊読んだ?」と話すのが楽しかったり。

佐藤 店のみんなで本屋大賞に参加すれば、文芸の話で盛り上がれる仲間が増えます。普段そんな機会はなかなかないので、すごく楽しい。お祭りですよね。

新井 そういうお祭りムードは、お客様にも伝わっているんじゃないかな。

佐藤 それが店頭に足を運んでもらうきっかけにもなればと思います。

――過去の受賞作を集めた「本屋大賞文庫フェア」も魅力的です。

新井 おもしろい作品がぎゅっと詰まった、間違いのないフェアです。

佐藤 文庫なので価格的にもお求めやすくなっています。

新井 フェアオリジナル小冊子「本屋大賞10周年全ノミネート作品リスト」はすごく楽しいですよ。「こんな作品が本屋大賞だったんだ」と新たな発見がきっとあると思うし、このリストを片手にしらみつぶしに読んでいけば、「本屋大賞コンプリート!」(笑)。

佐藤 このリストを眺めてみると、数年売れ続けていて平積み定番商品になっている文庫が大半です。つまり、お客様から長く支持されている良い作品ばかりなんですよね。

おすすめは……全作!

――今年のノミネート作の中から、おすすめを教えてください。

新井 個人的に好きな作品はいくつもあるけど、誰が読んでも間違いなくいい気持ちになれるような本をおすすめしたいので、『ランチのアッコちゃん』。読んで元気をもらいました。

佐藤 おじさま方には『教場』をぜひ。とても楽しく読みました。

新井 人間の心の奥を描いて、エンターテインメント性も高い。

佐藤 『さようなら、オレンジ』もいい作品だと思います。読んで好きになる人は多いんじゃないかな。普通なら派手に売れることはないタイプの小説ですが、本屋大賞ノミネート作ということで興味を持ってくださる方がいれば、うれしいです。

新井 『島はぼくらと』もすごくよかった。辻村深月さんの作品の中で、いちばん好きです。

佐藤 『想像ラジオ』は、3・11文学として、もっともっと多くの人に読まれてほしいと思っています。

新井 どれが大賞になるか、本当にわからない。全部、いい本だから!

佐藤 全部おすすめ。全部売れてくれれば、それが一番(笑)。

新井 今年は、ノミネート作として展開し始めてからの売れ行きが、例年より好調なんです。

佐藤 どれも新刊発売時にきちんと売れた本ではあるんですが、「ノミネート」の帯が付くことでまた売上が一気に伸びています。

新井 本屋大賞をそれだけ信頼していただいているということだと思います。ほかの文学賞にはない、本屋大賞の強みの一つは、「出どころがクリア」なこと。ノミネート作を決めるところから、我々書店員が読んで投票で決めたものだとはっきりしていますから。

佐藤 今の世の中、誰もが日々忙しく、本以外にも娯楽は多いですから、読書に時間を割く人はどんどん少なくなっています。それに小説は、コミックみたいに短時間で簡単に読めるものでもなく。読書って拘束時間が長いんですよね。そんな中で我々書店員が、日々たくさん出る本から「これはおもしろさの保証付きです」というものを選び出して紹介していく。それが本屋大賞の良さではないでしょうか。

新井 お金も時間もかけて一生懸命読んだ本が失敗だったら、ショックは大きいですからね(笑)。でも考え方を変えれば、それだけ長い時間を楽しめるわけだから、本ってとても安価な娯楽なんですよ。それに気づいてもらえるきっかけにもなればいいな。

佐藤 みんな忙しくて時間がないのは事実だと思うんです。「確実におもしろい本だけを読みたい」という人にこそ、本屋大賞の本はぴったりです。

新井 私たちは、「さすが書店員だね」と言っていただけるように、本当におもしろいものを常に探して、真剣に選んでいます。

佐藤 「私たちが読んで選んだ本です」と胸を張って言えます。

新井 本屋大賞を通じて、「おもしろい本はこんなにあるんだよ」ということを、多くの人に知ってほしいです。

(2014.2.21)

(日販発行:月刊「新刊展望」2014年4月号より)

[インタビュー]NPO 本屋大賞実行委員会 理事 高頭佐和子さん │ [インタビュー]リブロ池袋本店 矢部潤子さん
[インタビュー]三省堂書店有楽町店 新井見枝香さん 佐藤智子さん │ [作品一覧]2014年本屋大賞ノミネート全作品

Web新刊展望は、情報誌「新刊展望」の一部を掲載したものです。

新刊展望 2014年4月号
【主な内容】
[特集]読書がもっと楽しくなる「本屋大賞」に注目!
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本屋大賞とは?

「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 本屋大賞」。書店員自身が過去1年間に読んで「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選んで投票する。
2014年の選考対象は、2012年12月1日〜2013年11月30日に刊行された日本の小説。投票参加資格者は、新刊を扱っている書店の書店員(アルバイト、パートも含む)。選考方法は、「@1次投票で1人3作品を選んで投票 A1次投票の集計結果、上位10作品をノミネート本として発表 B2次投票はノミネート作品をすべて読んだ上で全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票 C2次投票の集計結果により大賞作品を決定」。2月28日に2次投票が締め切られた。大賞は4月8日に発表される。
書店員有志らで組織する本屋大賞実行委員会が運営を行っている。

過去の本屋大賞受賞作一覧や2014年本屋大賞ノミネート作品、4月8日(火)大賞発表後の最新情報など見逃せない情報が満載の本屋大賞特集はこちら

2014年本屋大賞にノミネートされた
中村文則さん、辻村深月さん、万城目学さん、和田竜さん、柚木麻子さん
ご自身の「トクベツな3冊」を選んでいただきました!
3 special books

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