【エディターズガイド】白泉社 「MOE」編集長 八巻健史
子どもに読ませたい絵本を探すとき、いわゆる名作、ロングセラーと呼ばれる本を選ばれる方、自分自身も子どもの頃に読んだ本を選ばれる方が多いと思います。でも毎年、数多く出版される新刊絵本に今、続々と注目の才能が現れています。
MOE絵本屋さん大賞は、全国の書店の絵本担当者の投票によって選ばれる、その年の新刊絵本のベストランキングです。第1位〜30位までを発表しています。2008年からスタートして今回で第6回を迎えました。日々たくさんの絵本と読者に接している書店員さんの確かな目で選ばれた絵本ということで、受賞作家の方々もいつもすごく喜んでくれます。
今回の選考対象期間の2012年後半〜2013年秋の新作絵本は、たいへん豊作だったと感じています。特にエンターテインメント性に溢れた傑作絵本、大人が読んで充分おもしろい絵本が数多く生まれました。
ヨシタケシンスケさん『りんごかもしれない』は、書店員さんからも読者からも人気が湧き上がり、絵本界に旋風を巻き起こしました。ぜひ大人にも読んでほしいです。絶対おもしろいから。
かこさとしさんの『からすのパンやさん』40年ぶりの続編4冊刊行は、2013年最大のトピックとなりました。『どろぼうがっこう』の続編など次々と新作を発表される、かこ先生。御年87歳にして、その絵と言葉のパワーは若さに溢れています。どの作品も明るくてとっても楽しい。親子2代、3代で読みたい絵本です。
このように話題性にも富んだ絵本揃いの「第6回MOE絵本屋さん大賞2013」ですが、現在、全国の書店さんで受賞作品のフェアを展開していただいています。ディック・ブルーナ・ジャパンさんのご協力により、前回から「ミッフィー」がシンボルです。受賞した絵本の帯に、ミッフィーが入っているのをご覧になった方もいらっしゃるかも。
また、「MOE」2月号(現在発売中)にて、受賞作品の紹介、著者インタビュー、書店さんのおすすめコメントなどを詳しく掲載しています。ぜひ「MOE」を読んでお気に入りの1冊を見つけてください。
第6回MOE絵本屋さん大賞2013
第1位
第2位
- からすのおかしやさん
- すっかり大きくなった、からすのパンやさんの四人の子どもたち。おとうさんとおかあさんの留守中、チョコくんがきまぐれでクッキーを作りはじめます。そこに、おかし作りが得意のミミちゃんがやってきて……。
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第3位
第4位
- ノラネコぐんだんパンこうじょう
- パン工場にやってきたノラネコぐんだんは、おいしそうなパンにうっとり。作り方を盗み見して、自分たちもおいしいパンを作ろうと考えます。そして夜、全員で工場に忍び込み、こっそりパン作りを試みますが……。
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第5位
新人賞