重要ゴールデンウイークの営業についてのご案内

重要お取り扱い商材の変更について

本屋大賞
メディア化情報

本屋大賞

メディア化情報

オンライン書店【ホンヤクラブ】はお好きな本屋での受け取りで送料無料!新刊予約・通販も。本(書籍)、雑誌、漫画(コミック)、洋書など在庫も充実

著者とその本

今月の作品

バックストリート
バックストリート
購入はこちら

著者関連商品

大迷走
大迷走
御茶ノ水署の迷コンビ、斉木係長と梢田巡査長。所轄の大学内で学生が覚醒剤を吸引しているとの情報に捜査を始めるが、証拠がつかめない。一方、警視庁も密かに捜査を進めていて…。「御茶ノ水警察」シリーズ初長編。
購入はこちら

墓石の伝説
墓石の伝説
愛する西部劇のために、現代調査研究所所長・岡坂神策は、老監督の映画製作に力を貸すこととなる。プロジェクトは進み、岡坂はスタッフと共に渡米、「OK牧場の決闘」の舞台となった町を訪れた。取材の過程で、歴史の陰に潜んでいた驚愕の事実が浮上する。西部劇の魅力を、たっぷり堪能できるサスペンス。
購入はこちら

2013年 8月号
逢坂 剛さん 『バックストリート』

逢坂剛さんの「分身」ともいうべきキャラクター〈岡坂神策〉。彼を主人公としたシリーズの最新刊である。

現代調査研究所所長・岡坂神策の住居兼仕事場があるのは、日本一の古書店街で知られる神保町にほど近い、お茶の水。岡坂は、同じマンションに事務所を構える弁護士・桂本の誘いで、近所に開店したタブラオ(フラメンコのライブハウス兼レストラン)へと出かけた。そこで知り合った女性の一人が、神成真理亜。祖父母がスペイン人とドイツ人という美貌のバイラオーラ(フラメンコダンサー)である。帰路、岡坂は何者かに尾行される。その夜から岡坂が関わることになった事件。そこには、真理亜の血とドイツ現代史とが複雑に絡み合う背景があった─。

従来の〈岡坂シリーズ〉同様、「自分の興味や好みをストレートに出した、甚だ趣味的な小説」だという本作。物語に密接なつながりを持つのは、「フラメンコ」「スペイン現代史」「ドイツ・ロマン派文学」といった題材だ。それらに対する逢坂さんの造詣の深さは、よく知られるところ。作中、岡坂の身体を借りる形で薀蓄を傾ける逢坂さんから、読者はヨーロッパ現代史や文学に関する新しい知識がもらえるというわけである。

一方で、現実とリンクするかのようにタイムリーな医学的問題も次第に姿を現し、社会の動きを先読みして書かれた作品なのかとも思えてくる。加速しながら進展していくストーリーは、間違いなく極上のエンターテインメント。物語に身を委ね、読書の愉楽を存分に味わえる長編小説である。

バックストリート』というタイトルには、「お茶の水、神保町界隈の裏道までご案内します」の想いが込められているという。逢坂さんが愛してやまないこの街が、もうひとつの主役でもある。
「土地勘のある人なら、よりおもしろく読んでもらえるんじゃないかな。実在の店もたくさん出てくるし。うまい食べ物屋として登場するのは、ほぼそのままです(笑)。神保町のことを知らない人がこの小説で、おもしろそうな街だと思って来てくれれば、私もありがたい。愛着のある街ですから」

神保町には、専業作家となった16年前に仕事場を構え、自宅から電車で毎朝「通勤」している。
「お茶の水にあった頃の中央大学を卒業して、神田錦町に本社があった博報堂に31年3か月勤めた。だから、この街にはもうかれこれ半世紀以上通っているわけです。古本屋はたくさんあるし、大きな新刊書店もある。ほかの街にはない、神保町文化みたいなものをなんとか伝えたいんです」

昼どきには街で食事をし、古書店をまわる。執筆中に資料が必要となれば、またすぐ探しに出る。
「簡単なことならインターネットで調べることもあるけど、ネットの情報は当てにならないから。街へ出て古本屋でしっかりした活字の本を調べないと。この街そのものが、私の書斎みたいなものですよ(笑)」

(日販発行:月刊「新刊展望」2013年8月号より)

今月の作品

バックストリート
バックストリート
美貌のフラメンコのバイラオーラ神成真里亜。彼女に迫る罠の裏側には、彼女の「血」とドイツ現代史との迷宮があった…。岡坂神策は、常軌を逸した不可解な企みの罠から、彼女を救えるか。岡坂神策シリーズの快作。
購入はこちら

プロフィール

逢坂 剛
逢坂 剛
1943年東京生まれ。中央大学法学部卒業。広告代理店勤務のかたわら執筆活動を始め、80年「暗殺者グラナダに死す」で第19回オール讀物推理小説新人賞受賞。86年に刊行した『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第5回日本冒険小説協会大賞、第40回日本推理作家協会賞受賞。警察小説・冒険小説等の現代ものから時代小説まで著書多数。主なシリーズに公安警察シリーズ(『裏切りの日日』『百舌の叫ぶ夜』他)、岡坂神策シリーズ(『あでやかな落日』『牙をむく都会』他)、御茶ノ水警察署シリーズ(『しのびよる月』『大迷走』他)、イベリア・シリーズ(『イベリアの雷鳴』他)、禿鷹シリーズ(『禿鷹の夜』他)、世間師シリーズ(『相棒に気をつけろ』他)、重蔵シリーズ(『重蔵始末』他)等。

新刊展望のご案内

新刊展望 8月号
新刊展望 8月号
【今月の主な内容】
[まえがき あとがき] 中脇初枝 終わりからはじまる物語
[対談] 母になって、得たもの 辻村深月・島本理生
購入はこちら

著者関連商品

小説家・逢坂剛
小説家・逢坂剛
作家・逢坂剛を作り上げる基となった本、育んだ人・街、西部劇やフラメンコギターなど終生の趣味、そして生業である小説作法のことなどを綴った、32編の人間味溢れる随筆を収録。自ら明かす、作家・逢坂剛の真髄。
購入はこちら

オンライン書店【ホンヤクラブ】はお好きな本屋での受け取りで送料無料!新刊予約・通販も。本(書籍)、雑誌、漫画(コミック)、洋書など在庫も充実