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特集・対談

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創立50周年を迎える円谷プロが「ウルトラマン」や「ミラーマン」などの特撮作品で作りだした怪獣約2500体を、すべて収録した日本初の大図鑑。細かいバージョン違いや宇宙人の円盤などの詳細な情報まで掲載。
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2013年 5月号

【対談】 朱川湊人×大倉崇裕 怪獣人生、万歳!

『円谷プロ全怪獣図鑑』を眺めながら、心ゆくまで怪獣談義。

朱川湊人 Minato Shukawa(写真右)
1963年大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒。出版社勤務を経て、2002年「フクロウ男」で第41回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。03年「白い部屋で月の歌を」で第10回日本ホラー小説大賞短編賞受賞。05年『花まんま』で第133回直木賞受賞。『都市伝説セピア』『かたみ歌』『オルゴォル』『満月ケチャップライス』ほか著書多数。最新刊は『サクラ秘密基地』(文藝春秋)。「ウルトラマンメビウス」第32・39・40話の脚本を担当。

大倉崇裕 Takahiro Okura(写真左)
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒。97年「三人目の幽霊」が第4回創元推理短編賞佳作となる。98年「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞受賞(当時の筆名は円谷夏樹)。『白戸修の事件簿』(「ツール&ストール」改題)『三人目の幽霊』『七度狐』『丑三つ時から夜明けまで』『福家警部補の挨拶』『聖域』『小鳥を愛した容疑者』ほか著書多数。最新刊は『福家警部補の報告』(東京創元社)。「ウルトラマンマックス」第7話の脚本を手がけた。

怪獣ブームのあの頃

      ――お二人は何年生まれですか。

朱川 昭和38年です。
大倉 僕は昭和43年です。朱川さんは怪獣ブームがストライクの世代ですよね。
朱川 そうですね。「ウルトラセブン」の放映が小学校に上がるすこし前に終わったくらい。「ウルトラQ」も記憶にある。「帰ってきたウルトラマン」が小学3年でした。大倉さんは?
大倉 僕はどちらかというと遅れてきた世代。本放送で何か見た記憶はあまりないんです。
朱川 へぇー、かわいそう(笑)。
大倉 生まれは京都ですけど、夕方の時間帯で再放送を見ました。たぶん、再放送の「怪獣総進撃」(「帰ってきたウルトラマン」第1話)が初めて見たウルトラマンだと思います。
朱川 僕は小学校は東京でしたけど、ウルトラ関係はリピート放送で初期のものも結構見ました。「ウルトラファイト」や「チビラくん」も見てた。
大倉 なんてうらやましい。
朱川 カタカナやひらがなは怪獣の名前で覚えました。
大倉 僕は難しい漢字を怪獣で覚えました。「彗星怪獣」とか「煙草」「灼熱」……。
朱川 第一次怪獣ブームは本当にすごいものがありましたよ。怪獣の名前は呪文みたいなもので、その呪文を唱えると知らない子とも仲良くなれる。当時はビデオもなかったから、色付きの怪獣を見られるのは本しかなくて、その本を持っているだけでスター。みんなが「見せて見せて」と寄ってきて威張れた。ソノシート(塩化ビニール製レコード)付きの本なんかもあって、小学館の学年誌にはソノシートがよく付いてました。
大倉 僕が明確に覚えている最初のものは、「ウルトラQ」から「ウルトラセブン」までの怪獣が入った朝日ソノラマの本。友達が持っていて、ものすごくうらやましかった。それから「帰ってきたウルトラマン」の再放送が始まって、現在に至ると。
朱川 一番ツボにはまったのはどれですか。もちろん全部でしょうけど、あえて言えば。
大倉 やっぱり「帰ってきたウルトラマン」は大きいですね。
朱川 僕も小学校3年のとき、毎週毎週楽しみにしてました。小学館の学年誌の表紙に怪獣の写真がちょこっと出ていたりすると、それだけで欲しくなった。
大倉 今でもそうですけど(笑)。
朱川 上下5歳ということで大倉さんも仲間に入ってもらうとして、僕らの世代は、怪獣を出されるともう抵抗できない。
大倉 ダメですね。
朱川 僕は特に「Q・マン・セブン」の3つが大好きなので、DVDを全部持っているのに、テレビでリマスター版が放送されるとまた録画してしまう。
大倉 まったく同じです。
朱川 もう持っているのに、なんで録画するんでしょうね。
大倉 何か違うかも知れないと不安なんですよね。今はDVDで好きなときに好きなものが見られる。そこが昔と一番違うところですね。ビデオソフトが出始めたのが高校生の頃で、「ウルトラQ」はレーザーディスクで初めて全部通して見ました。
朱川 レーザーディスクかー(笑)。僕はリアルタイムで見てリピート放送も結構見て、「ウルトラQ」は神聖なものというイメージが強い。どれを見てもおもしろい。
大倉 そうですね。
朱川 新しく色が付いたのも。
大倉 もちろんです。今「ウルトラQ」は4つか5つ持っています。カラーとモノクロ両方入っているブルーレイを買ってしまってですね、モノクロのDVDは持っているから別にカラーだけでいいんですけど、モノクロもないと不安で、つい……。「ウルトラQ」に色が付くなんて、本当にいい時代になりました。

いつもそばには怪獣が

朱川 怪獣やSF的なものは子どもの頃から好きだったんですか。
大倉 それほど多方向には行ってなかったです。
朱川 ミステリー作家の方は一時期狂ったようにミステリーばっかり読む時期があるでしょう。
大倉 あります。
朱川 それはいつ頃でしたか。
大倉 結構遅くて、大学に入ってからです。大学の頃が唯一、怪獣よりもミステリーのほうが上にあった感じで、その4〜5年でまとめて読んだんです。
朱川 僕は逆です。小学校のときから怪獣が好きで、中学でちょっと離れて、中学から高校で太宰かぶれになって太宰ばっかり読んでて、大学生になって出戻りました。ちょうどその頃、ゴジラのリバイバルブームで怪獣映画のオールナイト上映があって。
大倉 1982年とかじゃないですか。大阪でもあって、中学3年でしたけど京都から一人で行きました。
朱川 中3でオールナイトはまずいでしょう(笑)。
大倉 今でもよく覚えてますけど、翌日が期末試験だったんです。でもゴジラとモスラとラドンの3本立てで、当時まだゴジラを見たことがなかったので、矢も盾もたまらず出かけていって……。だから「帰ってきたウルトラマン」を初めて見て以来ずっと、就職しようが、物書きになろうが、怪獣はいつもそばにある感じなんです。
朱川 もう生活に密着してますよね。さりげなく怪獣のカレンダーが部屋にあるし、フィギュアもいっぱい並んでるし。最近のフィギュアは安いわりに出来が良くて。
大倉 結構持ってますか。
朱川 持ってます。それこそ朝日ソノラマの(特撮専門誌)「宇宙船」を買っていて、「ガレージキット」という言葉が出始めた頃から。
大倉 ガレージキットは今でも作られますか。
朱川 最近は時間がなくて買うだけ。
大倉 まるで自分の鏡を見るようです。私はガレージキットにはまったのも大きいんですよ。中学の頃にガンプラブームがあって。
朱川 僕は大学生だったな。
大倉 あれがストライクだったんです。プラモデルを作るのがずっと好きだったので。その流れで怪獣のガレージキットが模型雑誌とかに出てきて。
朱川 じゃあ大倉さんは怪獣ももちろん好きだけど、そういうハンドメイドものが好きなんだ。
大倉 今はそれが大きいです。だからワンダーフェスティバル(ガレージキットの世界最大のイベント。略称「ワンフェス」)に行って怪獣買ったり。
朱川 ワンフェスは行きたいけど、そこまでの根性がないんだよなあ。
大倉 中3のときに大阪の海洋堂がゴジラのガレージキットを大々的に売り出したんです。
朱川 その頃僕は大学生だ。東京からはるばる行った。
大倉 僕は従兄と一緒に行きました。お年玉を握りしめて。それが最初に買ったガレージキットです。確か5800円。
朱川 子どもが買っちゃいけない額だよ。
大倉 足りなくて従兄に借金しました。
朱川 それだけ怪獣というのは、無理してでも欲しくなるもので。あと、僕ら世代の怪獣のおもちゃは微妙に似てないんだよね。ガラモンはエビフライにしか見えないし、ペギラはペコちゃんみたいだった(笑)。だからガレージキットでリアルなものが出たときは、びっくりしましたよね。
大倉 昔のものは色も違いましたから。中学の頃、ポピーからウルトラ怪獣のフィギュアがリニューアル発売されたんです。最近またリニューアルされて出てるじゃないですか。あれも出来が良くて。
朱川 ケサム(大倉崇裕さん脚本「ウルトラマンマックス」第7話に登場した怪獣)はフィギュアになった?
大倉 なりました。
朱川 いいなあ。僕は(「ウルトラマンメビウス」の脚本を)3本も書いたのに一個もフィギュアにはならなかった。

作家人生への影響

朱川 ウルトラシリーズでは特にどの辺りのストーリーが好きですか。
大倉 作品で好きなのは「ウルトラマン」です。多くの人は「ウルトラセブン」だと言いますけど。
朱川 そんなことはないでしょう。僕は「Q・マン・セブン」は3本の矢だと思ってる。「ウルトラQ」のセンス・オブ・ワンダーな感じがすごく好きなんです。「ウルトラマン」の最初のほう、顔がしわくちゃな……
大倉 13話くらいまでですね。
朱川 あの頃の「ウルトラマン」は、「ウルトラQ」の続きみたいな感じが強いでしょう。
大倉 そうですね。ちょっと暗い感じ。
朱川 あれが好きなんですよ。僕がセンス・オブ・ワンダーを好きになったのは「ウルトラQ」のおかげだと思う。それに「Q・マン・セブン」は物語のタイトルもいいんです。タイトルまでガチに作っている感じ。
大倉 僕は「明日を捜せ」(「ウルトラセブン」第23話)が好きです。
朱川 「東京氷河期」(「ウルトラQ」第14話)とか。すごくロマンチック。ちょうどあの頃は70年代フォークも流行っていて、哀しいことやかっこいいことに魅かれ始めてたのかな。ウルトラの再放送を見てすごくロマンを感じた。小学生の頃はタイトルを全部覚えてましたよ。
大倉 怪獣の名前だけでなく。
朱川 「人間牧場」(「ウルトラセブン」第22話)とか。
大倉 すごいタイトルですよね。
朱川 まんまSF小説。そして、そういうタイトルに魅かれる性格が、のちに本屋で『人間失格』を選ばせてしまった。
大倉 結局、怪獣で培われたものなんですね(笑)。

(2013.3.14)

※円谷プロダクション:日本特撮の父・円谷英二によって創立され、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」など、数多くの特撮テレビ番組・映画を製作。今なお人気の作品が多く、海外での評価も高い。2013年、創立50周年を迎えた。

(日販発行:月刊「新刊展望」2013年5月号より)

対談はまだまだ続きます。続きは「新刊展望」2013年5月号で!

Web新刊展望は、情報誌「新刊展望」の一部を掲載したものです。
全てを読みたい方は「新刊展望 5月号」でお楽しみください!

新刊展望 5月号
【今月の主な内容】
[まえがき あとがき] 門井慶喜 幕末の志士シュンスケ!
[対談] 怪獣人生、万歳! 朱川湊人・大倉崇裕
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大倉崇裕さんにとっての「トクベツな3冊」

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大倉崇裕さんのコメント
古今東西、数あるミステリーの中でベスト1はどれかと言われれば、迷うことなく、この「獄門島」を挙げます。当時の日本の一コマを切り取った鮮やかな情景、魅力的な謎、研ぎ澄まされた解決の論理、その対極にある人の情念、悲しさ、そういったものが渾然一体となって…


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