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[BOOKデータベースより]
私たち人間のからだは、魚であった時代の名残をたくさん抱えている。たとえば、私たちの顔で表情をつくり、口を開いて声や言葉を発する筋肉も、魚だった時代の「えら」の筋肉が変化したものだ。水中で生活する魚類では、顔面に味覚を感じる細胞が集中したが、上陸に伴い、ヒトでは乾燥を避けて口の中の舌でのみ味覚を味わうようになった。東京大学の医学部の学生が特別講義を聞き終わった後、感動の余り拍手したという伝説の解剖学者、三木成夫の話術は、保母さんたちを相手にした一般講演でも笑いが絶えなかったという。そうした絶妙な語り口に、入学したばかりの大学生だった著者も強く惹かれていく。不世出の天才、三木成夫の「人間の見方」の全体像を、ひとつのまとまりのある本として読者に提供すること、これが本書の挑戦である。解剖学は難しくない、人間の体や心の見方が180度変わる。
1 三木成夫とは?(奇妙な授業―大学に入学し三木成夫と出会った;日本の解剖学における三木成夫の先人たち;ライフワークは未完だったのか)
[日販商品データベースより]2 人体の中の「動物」(運動系(骨と筋肉);神経系(脳と神経);感覚系(目、耳、皮膚))
3 「こころ」はどこにあるのか?
4 人体の中の「植物」(吸収系(胃腸と肺);循環系(心臓と血管);排出系(秘尿・生殖器))
5 三木成夫の人間観(「胎児」―個体発生と系統発生;「3歳児」―指差し、呼称音、直立、言葉;「生命記憶」―ヒトの体には五億年の記憶がある)
不世出の天才解剖学者、三木成夫の驚くべき人間観は、その弟子の筆によって初めてその全体像が姿を現す。「人間の心や体の成り立ち」に関する三木の深い洞察力により、人間の体や心の見方が180度変わる。