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[BOOKデータベースより]
『三びきのやぎのがらがらどん』「ナルニア国ものがたり」など、子どもたちに愛され読み継がれる絵本やファンタジー作品の数々で、名翻訳者として知られる瀬田貞二氏。戦後の焼け跡が残る日本で「私は自らのあらゆる能力と時間を、子どもたちにむかって解放しなくてはならない」と決心した氏が、それからどのように子どもの本に関わっていったのか―。担当編集者として携わった著者が一九七〇年代を振り返りながら、生涯“自分流に子どもの本とつきあう暮らし”をつづけた瀬田貞二氏の軌跡をたどる。
第1章 『児童百科事典』の時代
第2章 『絵本論』―「がらがらどん」と「おだんごぱん」と
第3章 『落穂ひろい』の日々
第4章 『児童文学論』―子どもへの憧れ
第5章 瀬田先生の「旅」
資料編(瀬田貞二著『絵本論』をすすめる―絵本の選択のために(松岡享子);郵便机(余寧金之助))
絵本やファンタジーの翻訳と評論に、古い時代の日本の子どもの文化の研究に、常に温かく豊かな眼差しを注いだ瀬田貞二。担当編集者として関わった著者が、その仕事の数々を語る。
読み始めて私が瀬田貞二さんという名前を心に刻んだのは、いつだったのだろうと思った。
佐藤さとるさんの『ファンタジーの世界』を読み『ナルニア国物語』を知り、その本を読んで物語の持つ圧倒的な世界観に魅了され、翻訳家としての瀬田貞二さんを知ったのだと思う。
子育てを通して絵本の世界をもう一度自分の生活に取り戻した私は子どもと一緒に瀬田貞二さんの作品を読みつくした。
名作と呼ばれるものに共通するのは、魂のこもった生きた言葉なのだと思う。
『子どもの本のよあけ』を読みながら、瀬田さんの言葉をよく記憶して伝えてくださってありがとうと何度も思った。
「私は自らのあらゆる作品と能力と時間を、子どもたちに開放しなくてはならない」という瀬田さんの言葉がカバーに書かれているが、その言葉を読んだ時に涙が出た。
私たち大人はすべて次の世代に子どもたちに良質な文化を残すことを使命としなくてなならないのではないだろうか。
瀬田貞二さんからもらった命のバトンを縁のある子どもたちに渡していきたいそんな気持ちになった。(はなびやさん 50代・愛知県 男の子15歳)
【情報提供・絵本ナビ】