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[BOOKデータベースより]
新世代の新世代による新世代のための私小説論!いい私小説を読むと、なぜわれわれの魂は慰められるのだろう。そしてなぜ、くり返し読んでも飽きないのだろう。文学の故郷に、“受容する主体”(読者)という方向から全く新しいアプローチをはかった、気鋭の文芸評論集。
1 救済の文学(ドイツの自伝小説と日本の私小説;救済の文学―何故、私小説は一部の人から熱狂的に迎えられるのか;創作者と読者との神秘的邂逅―受容理論の盲点;文学より神秘へと至る道―十九世紀ロマン主義と写実・自然主義の系譜)
2 日本の文芸において(文芸の土壌問題―近代における日本語と日本文学の宿命;オイコス的芸術観―日本の芸術に見られる一傾向;日本近代文学の土壌に流れる二つの水脈)
3 文学史研究(トルストイとリアリズムに関する三つの考察;文芸復興前史―「プロ文」時代から文芸復興へ;雑誌『風景』について―文学とマス・メディア)
私たちは孤独感や無力感を感ずる時、あるいは心がひどく傷ついている時、親身になってくれる人を求めることがある。そのこの比喩は、他の純文学作品と私小説が、決定的に異なる一つの要因を示唆している。(本文より)
いい私小説を読むと、なぜわれわれの魂は慰められるのだろう。そしてなぜ、くり返し読んでも飽きないのだろう。
文学の故郷に、〈受容する主体(読者)〉という方向から全く新しいアプローチをはかった、気鋭の文芸評論集。