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[BOOKデータベースより]
ポストコロニアルな歴史人類学の可能性をひらく。帝国日本に統治された台湾と旧南洋群島。そこに生きた人々の、「日本化」から脱植民地化への道のりをたどり、彼ら/彼女らの歴史認識と「日本」認識の形成過程と変容とを明らかにする。
台湾と旧南洋群島におけるポストコロニアルな歴史人類学の可能性―重層する外来政権のもとでの脱植民地化と歴史認識
[日販商品データベースより]第1部 日本の植民地支配と国際環境(委任統治・信託統治と「日本」―戦後の始まりあるいは記憶と忘却のずれについて;台湾における日本仏教の社会事業―一八九五〜一九三七;言語接触と植民地―最初の官製「日本語‐台湾語」教科書『新日本語言集』を中心に)
第2部 複数の文明・政権を跨ぐ記憶(パラオの語りにみる植民地経験のリアリティ;植民地台湾の生活世界の「日本化」とその後―旧南洋群島を視野にいれて;台湾における「日本語」によるキリスト教的高齢者ケア―社団法人台北市松年福祉会玉蘭荘の機関誌分析より)
第3部 脱植民地化の試み(パラオ・サクラカイ―「ニッケイ」と親日言説に関する考察;交錯する「植民地経験」―台湾原住民・ブヌンと「日本」との衝突・接触・邂逅;台湾の植民地経験の多相化に関する脱植民地主義的研究―台湾の植民地期建築物を事例に)
▼ポストコロニアルな歴史人類学の可能性をひらく。
帝国日本に統治された台湾と旧南洋群島。そこに生きた人々の、「日本化」から脱植民地化への道のりをたどり、彼ら / 彼女らの歴史認識と「日本」認識の形成過程と変容とを明らかにする。
今日、日本人は、「親日」的に見える旧植民地の人々と出会ったときに、彼らの好意的な発言の背後に隠された旧植民地の人々の「脱植民地化」の苦悩への想像力を持てなくなってしまい、ノスタルジーに浸り、自らに心地よい解釈に酔うという落とし穴にはまってしまいがちになったのではないか。……私たちに求められているのは、彼らの声に耳を傾けることによる今更ながらの自らの「脱帝国化」ではないだろうか。 ―― 本書三尾裕子論文より