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[BOOKデータベースより]
培養上清と幹細胞移植は同じ効果!なおかつ低コスト、低リスク、投与が簡単!トカゲのしっぽが再生するのも、赤ちゃんのケガがすぐ治るのも、体内に「幹細胞」が多いため。従来再生医療はこの「幹細胞移植」がメインであったが、「幹細胞移植」は培養が高コストかつ、培養にも移植にも技術が必要であり、患者さんへの体の負担など、リスクも多い。「培養上清」は、「薬」である。適応範囲が幅広く、製剤化されれば、誰でも恩恵にあずかることができる「夢の治療薬」なのである。
第1章 再生医療(臓器や組織の移植から始まる再生医療の歴史;脳梗塞によって片麻痺を起こした手が動くようになり、一人で歩けるようになった ほか)
[日販商品データベースより]第2章 幹細胞(私たちの体をつくっているのは200種類、37兆個の細胞;人間は本来、120歳まで生きられる!? ほか)
第3章 iPS細胞(再生医療の分野に大きなインパクトを与えたiPS細胞;万能細胞で、臓器丸ごと、人間丸ごとは再生できる? ほか)
第4章 培養上清(培養上清で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状緩和に世界で初めて成功;新型コロナウイルスなどによる間質性肺炎にも培養上清の有効性が示された ほか)
第5章 再生医療、培養上清の光と闇、将来の方向性(研究者と一般の人の再生医療に対する期待度には大きなギャップがある;研究的アプローチに陥りがちな再生医療には問題がある ほか)
◆iPS細胞、幹細胞移植ではなく、
「幹細胞の培養液」こそが再生医療の大本命だった!
元来、傷や病気で損なった臓器を再生させる(回復させる)ためには、どんな細胞にでも分化できる幹細胞を培養して移植する「幹細胞移植」がメインに使われていた。そこに、山中教授のノーベル賞受賞により、万能細胞といわれるiPS細胞が登場し、私たちは再生医療は今にでも飛躍的に進むかのような期待を抱いた。
しかし、iPS細胞の応用は、心筋シートや網膜の病気などにごく一部治験がはじまったばかり。夢のような治療・移植にはまだほど遠い。
そんな中、皮膚再生からスタートし、名古屋大学で30年以上にわたって再生医療を研究していた著者は、「幹細胞を移植するのと、幹細胞の培養液を注入することの、効果は同じである」ということを発見した。この培養液を「培養上清」を呼ぶ。
協力病院での治験で、培養上清によってアルツハイマー型認知症、脳梗塞、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、花粉症など、難治の症状が著しく改善したことを確認。さらに、培養上清は液体化、粉末化が可能で、大量製造できる。幹細胞移植に比べ れば費用は100分の1で、「移植」も必要なく、点滴か塗り薬として塗布、鼻から吸入するだけでよい。この技術は、2019年からノルウェーのベルゲン大学と大規模な共同臨床研究を開始している。
また、「体内の傷ついた細胞を再生する」ことができるため、特効薬がなかった新型コロナウイルスによる間質性肺炎、その後遺症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)での治療にも効果をあげている。
※本書は2018年末に刊行した新書『驚異の再生医療〜培養上清とは何か〜』の改訂版です。前作からこの4年間での臨床結果などを加筆し、改訂版としました。