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[BOOKデータベースより]
池田勇人が第58代内閣総理大臣に就任したのは、1960年(昭和35年)のことだ。以後、2回の衆院解散と4度の内閣改造を経て、1575日の間、池田は日本の首相と自民党総裁の座に君臨した。池田が日本を指揮したこの4年半は、高度経済成長の第2期にあたる。まだ、沖縄返還(1972年)も実現しておらず、同時に前任の岸信介首相の60年安保闘争の“疲弊”が日本国内に充満していた時期だった。すでに高度経済成長は興っていたが、日本人の多くはそれが“頭打ち”になると感じており、現に中小企業の倒産が目立ち始め、経営苦から自殺する企業家も少なくなかった。そうした状況下で首相に就任した池田に課せられた使命は2つあった。1つは、陰りの見えていた経済発展を持続させること。もう1つは、閉塞した空気を打ち破り、日本国民に“明るい未来”の希望を抱かせることだった。
第1章 広島の悪童大蔵省に殴り込む
第2章 異端の大蔵官僚吉田学校に入学す
第3章 大蔵大臣・池田勇人“赤鬼”ドッジと格闘す
第4章 朝鮮戦争とサンフランシスコ講和会議
第5章 自由民主党誕生
第6章 「宏池会」の結成
第7章 「所得倍増」を夢見た宰相
特別インタビュー(第9代宏池会会長 岸田文雄外務大臣;漫画『所得倍増伝説 疾風の勇人』作者 大和田秀樹さん)