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[BOOKデータベースより]
大衆の「声」の開放、そして敗北…丸山眞男が畏れた兄とは?『日曜娯楽版』や『のど自慢』をはじめ現代の娯楽番組の基礎を創ったNHKきっての「大奇人」の生涯。
序章 “サラリーマン表現者”の精神史
第1章 「筆一本」の時代の終わり
第2章 チンピラの実像
第3章 新たなメディアと不機嫌の時代
第4章 大衆の「声」の発見
第5章 バラエティ番組はこうして生まれた
第6章 「大衆のラヂオ」の帰趨
終章 「われらが時代は去りぬ」
丸山眞男が畏れた兄とは何者だったのか。「のど自慢」など現代の娯楽番組の基礎を創ったNHKきっての「大奇人」の生涯。「サラリーマン表現者」がいかに自己の「匿名の思想」を実現してきたかを検証する。
メディア論の新たな読み!
戦後を代表する知識人である丸山眞男に兄がいたことはあまり知られていない。その兄鐵雄(てつお)は、長谷川如是閑とともに大正期を代表するジャーナリスト丸山幹治の長男として1910年に生まれ、その後京都帝大経済学部を卒業して日本放送協会に入り、ラジオの黄金時代とテレビの草創期を牽引した敏腕芸能ディレクターだった(1973年に『激動の昭和』で日本レコード大賞特別賞を受賞、1988年没)。
日本のメディア史を考える上でとりわけ重要なのは、痛快な社会諷刺で占領下人気を博したラジオ番組『日曜娯楽版』と現在まで続く長寿番組『のど自慢』を鐵雄が企画したことである。
本書は丸山鐵雄の人生とその時代を振り返ることによって、「マスメディアの真の主人公」である〈サラリーマン表現者〉について考える試みである。
記者やプロデューサー、ディレクターや編集者に代表される〈サラリーマン表現者〉が、学者からタレントまであらゆる表現者を利用しながら、いかに自己の「匿名の思想」を実現してきたかを徹底的に検証する。「彼らの作ったパッケージこそが世の中に甚大な影響を与えている」(本書)のだ。著者渾身の書き下ろし!