- 在庫状況:在庫あり(1〜2日で出荷)
- 激しく考え、やさしく語る
-
私の履歴書
日経プレミアシリーズ 399
日経BPM(日本経済新聞出版本部) 日経BPマーケティング
山折哲雄- 価格
- 979円(本体890円+税)
- 発行年月
- 2019年03月
- 判型
- B40
- ISBN
- 9784532263997
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- ブッダに学ぶ老いと死
-
価格:869円(本体790円+税)
【2023年12月発売】
- 日本史年表
-
価格:1,760円(本体1,600円+税)
【2022年12月発売】
- 「ひとり」の哲学
-
価格:1,430円(本体1,300円+税)
【2016年10月発売】
[BOOKデータベースより]
米国で生まれ、開戦前に日本に帰り、東京、花巻、仙台へ。そして、平成と重なる30年間を京都で過ごす。故郷喪失者だと語る宗教学者は、寺に生まれて寺を継ぐことなく、その精神の軌跡も時代とともに様々な曲折を経てきた。独自の思想を育んできた来し方を見つめるまなざしは「ひとり」の哲学の、その先へ向かう。
第1部 私の履歴書(病を重ねて;米国生まれ;帰国して;太平洋戦争;疎開 ほか)
[日販商品データベースより]第2部 ロングインタビュー 人生の重荷をおろして(故郷喪失者にとっての故郷;ドストエフスキーと服部之総;東北―賢治・啄木・茂吉、そして光太郎、遠野物語;ひとりの哲学の発露;インドとカオスと老荘 ほか)
「生の終焉 軽くなる存在」「重荷の対極に涅槃の境地」――2018年3月に日経新聞朝刊に連載された「私の履歴書」の連載第1回の見出しは異彩を放った。多くの読者を獲得した『「ひとり」の哲学』の著者が来し方を振り返ると、その個人史は特に戦後、多くの日本人が失ってきたものを血肉化して次代につなぐ孤独な闘いであったことがわかる。
日本に「哲学」は存在しない、あるのは「思想」だけであり、源流は著者のライフワークでもある親鸞をはじめとする仏教者に淵源を求め、その思想は万葉の歌、そして縄文にさかのぼる。そこに辿り着くためには、マルクス主義への傾倒、ドストエフスキーへの耽溺、インドへの渇望、柳田國男への共感など様々な経緯を辿るが、故郷・花巻を故郷と思えない米国生まれの希有な生い立ちが「ひとり」の哲学に起因していることに行き着く。
と、第一部はある宗教学者の「私の履歴書」ではあるのだが、その来し方を「何ともうっとうしい重い荷物」と言い切るところが、よくある自伝とは趣きを異にする。その断章に近い第一部の一篇一篇が基づく思想を、日常的な言葉によって身近なものにするために、執筆後にロングインタビューを敢行、第二部として収録した。第一部・第二部双方が光となり影となって補い合うことで、著者の孤独な闘いで得てきたものが見える。特に戦後、いや近代化が始まった150年前から、日本人が失ってきたものなのだ。
人生百年時代と言い、多くの人が老いのその先を生きねばならなくなった。終活のみが盛んに叫ばれるが、それは突き詰めればお金の問題に過ぎず、生き方とは何の関係もない。生き恥を晒すか、晩節を汚すか、すべては覚悟の問題だ。日本人は古来、死後の世界のことを見据えて生きてきた。そのことに思いをはせることなく、よく生きることはできないのではないか。本書では、ひとりの個人史が時代への大きな問題提議となっている。