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[日販商品データベースより]
なんだかつまんない日、ぼくはふと、テーブルの夏みかんをみる。「あっ、なつみかんのてっぺんに、みどりのほし、みぃつけた」やさいにも花にもみつけた、みどりのほし、ほし、ほし! 葉っぱのながれぼしを追いかけて走ったぼくは、草の上で大の字になってともだちと手をつなぐ。ぼくたちはみんなほしのこども…。林木林さんのみずみずしい言葉と、長谷川義史さんののびやかな絵で描かれる、小さな発見から大きく広がる心の世界。
「こどもの詩 周南賞」で入賞したこどものうたの歌詞の世界からうまれた作品。くだものや野菜の「へた」を「みどりのほし」と表現する、詩人ならではの発見と言葉が読者の想像を広げます。林木林さんはブログで、「地球には小さな緑の星たちがたくさん輝いて、その輝きが地球の緑を輝かせている。なんてすばらしいことでしょう」と書いています。自分のいのちや自然、ともだちのいのちの輝きを感じる作品です。
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「きょうはなんだかつまんない」ひとりでいたい気分なんだ。そんな日ってあるよね。でも寝っころがっていたぼくが、ふと置いてあったなつみかんを見てすごい発見をしてしまったのだ。「あ、てっぺんにみどりのほし、みぃつけた」本当です、それは確かに緑色をした星なのです。畑に行けばトマトにもピーマンにもししとうにも。星のかんむりをかぶってる。これはきっと「みどりのほし」に生まれたしるし。花にも、みずたまりの中にも、葉っぱにも……ほし、ほし、ほし! この大きな発見と驚きは、読者の心も揺さぶります。そうか、地球にはこんな素敵な緑の星で覆われていたのかと。どんどんと想像は膨らみ、世界は広がっていき、ぼくの心とかさなります。さあ、手をつないで……。作者の林木林さんが、2011年「こどもの詩 周南賞」で作詩部門優秀賞した詩をもとに、絵本の言葉として新たに書いて生まれたこの作品。何気ない発見から大きく広がるこの世界を、長谷川義史さんの絵が瑞々しく描きだします。真っ赤に熟れたトマトのヘタの鮮やかさや、「あまのがわ」に見立てた陽の光で透けた美しい青もみじなど、一度見たら忘れらないような場面がたくさん。それに対して、主人公の男の子はみんなの中にある「ぼく」だからと、白くぬいた描かれた方をしています。何だか冴えないな、と思ったら。ごろんと寝っ転がってこの『みどりのほし』を読んでみたら、心の中に何かが生まれてくるかも!? そんな風に読んでみてもらいたい1冊です。
(絵本ナビ編集長 磯崎園子)
長谷川義史さんのイラストに惹かれ、手に取りました。
「なつみかんのてっぺんにみどりのほし」
「みんなほしのかんむりかぶっている」
「みどりのほしでうまれたしるし」
文字を追いながら、なんてすてきな感性だろうと感激しました。小さな発見も、想像力次第で、どこまでも広がっていくんですね。
長谷川義史さんのキラキラとした優しいイラストも、とてもすてきでした。(クッチーナママさん 40代・東京都 女の子17歳、女の子14歳、男の子12歳)
【情報提供・絵本ナビ】