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[BOOKデータベースより]
あの戦争についての客観的評価なら耳に胼胝が出来るほどさんざん聞かされてきた。「客観的」というのは名ばかりで、戦勝国の「主観」に彩られていない戦争の見方など何ひとつなかった。そこで私は不図思った。やれ主観的だ客観的だのと言うからいけないのだ。思い切って「主体的」という語を敢えて使ってみればよいではないか。日本人はあの戦争を間違いなく主観的にではなく、主体的に戦ったはずだ。しかし主体的な戦いの歴史は書かれているだろうか。『天皇と原爆』はそこを目指した著作だと言ってよいだろう。(本巻後記より)
1 現代世界史放談
[日販商品データベースより]2 変化する多面体アメリカにどう対するか
3 朝鮮半島とオーストラリア
4 二十一世紀の幕開け―世界の金融危機と中国の台頭
5 あの戦争はどうしたら日本の本当の歴史になるのか
6 天皇と原爆
7 アメリカと中国はどう日本を「侵略」するのか
8 歴史へのひとつの正眼
本巻収録『天皇と原爆』は、先の大戦が宗教戦争であったこと、アメリカはそのことを強く意識し、日本は迂闊にもこの観点を欠いていたことを主題としている。欧州が主舞台になった世界大戦は、西欧文明内部のいわば「内戦」であって、巻き込まれた地球の他の部分はいい迷惑であった。
本巻に収めたもう一つの論考『アメリカと中国はどう日本を「侵略」するのか』は、歴史というより、歴史に仮託した未来の我が国のあるべき戦略への心がけの一作である。いかに用意周到に我が国は籠絡されて来たか、「至誠」や「真心」といった善のモラル一辺倒では世界に太刀打ちできない、もっとしたたかにならなければいけないことを歴史の諸相から学ぼうとした著作である。
本巻のもう一つの特徴は、「追補」の欄が充実していることである。秦郁彦氏との記念的大論争が収録されていることと、水島達二「『少年記』のダイナミズム」と阿由葉秀峰「『少年記』の故地を訪ねて──浦島太郎の錯覚と眩暈」という二人の新人の鮮やかな深読みと分析が光る。前者は戦争論、後者は紀行文の違いはあるが、どちらも『少年記』のテキストをよく読み抜き、それぞれ違った角度から新しい西尾論、未知の西尾像の確立に寄与する礎を作っている。