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[BOOKデータベースより]
漱石のゆたかな世界を、斬新な手法と比較文化の視野で読み解く画期的な作家論。近代日本の運命を、世界の潮流のなかで見据えた「国民作家」漱石。日本の行く末を指し示し、世に問うたそのテーマは、二十一世紀の私たちにも語りかける。
眼は識る東西の字
[日販商品データベースより]漱石と世紀末の女性たち―ヒロインの肖像
漱石の「英詩」から『薤露行』へ
漱石のポー論
二人であることの病い―漱石の『こゝろ』とポー
暗黒への旅―『坑夫』の成立
漱石における「個人」と「国家」
遅れて来た死―漱石の『こゝろ』と鴎外『興津彌五右衛門の遺書』
迷宮都市の光と闇―『彼岸過迄』
ハーン・転生・『夢十夜』第一夜
『明暗』―ポリフォニーの世界と他者
漱石の「風景庭園」論とピクチャレスク美学―ポープ、ターナー、ワーズワース
夢想の『庭』―漱石、蕪村、王維
荒野からピクチャレスクへ―ポー、ホーソン、ジェイムズと「理想の風景」
西欧の文学・美術の潮流に身をおいた外国体験と、東洋文化の素養の中で漱石文学は成立したが、その全体像は未だ解き明かされていない部分が多い。比較文化の視野の中で作品を味わいつつ、新たな漱石像を構築する。〈受賞情報〉和辻哲郎文化賞一般部門(第26回)