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価格:1,980円(本体1,800円+税)
【2019年11月発売】
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[BOOKデータベースより]
第1章 はじめに
[日販商品データベースより]第2章 物質を小さくすると
第3章 どこまで小さくできるか?
第4章 ナノの世界の量子性
第5章 量子効果の巨視的世界への影響
第6章 自然、および人工的な自己組織ナノ構造
第7章 物理的手法によるナノ構造の作製
第8章 磁性、電子と核のスピン、超伝導を基礎とした量子テクノロジー
第9章 シリコンナノエレクトロニクス、そしてその先へ
第10章 将来の展望
"""Nanophysics and Nanotechnology−An Introduction to Modern Concepts in Nanoscience− Second、 Updated and Enlarged Edition""、Edward L. Wolf(エドワード・L・ウルフ)著の翻訳書。
原著は海外で評価の高い「ナノテクノロジー」「ナノ物理」のテキストブックである。ナノテクノロジーの舞台となる、ナノスケールの世界で現れる量子効果を理解し活用するための基礎科学「ナノ物理」の概念を学ぶことが本書の目的となっている。
内容構成は全10章であり、ナノ物理の基礎から工学への応用までを網羅する。第1章では、まずナノスケールの世界の概念、及び江崎ダイオードやハードディスクなど身近な例が示される。第2章では、縮小化した場合の様々な物理現象のスケーリング則、第3章では縮小化の限界が検討され、生体デバイスやナノデバイスの作製法を概観する。第4章ではナノ構造の世界で現れる量子性を学ぶための基礎となるシュレディンガー方程式やボーアモデルが登場する。さらにトンネル効果や磁気モーメントについての詳細が議論なされている。第5章はこの量子性がマクロな物性、例えば強磁性等をどのように記述するかを理解するためにさかれ、第6章では自己組織化に注目し、自然界並びに人工的に作製されるナノ構造が、また第7章では物理的な手法によるナノ構造作製法の実際が紹介される。あわせて、個々の原子を動かすことのできるプローブ顕微鏡法について、その可能性が議論されている。第8章では、ナノ物理に基づく量子テクノロジーとして、磁性、電子、核スピンが切り拓く応用例−ハードディスクやMRI等の医療機器で用いられるスピンデバイス、未来の計算手法となる量子コンピュータや、超電導デバイスについて述べられており、第9章では、将来のシリコンデバイス、例えば、有機分子やカーボンナノチューブを用いた分子エレクトロニクス、及び電荷量子ビットを利用した量子コンピュータ、あるいは単電子トランジスタ等が紹介される。そして、第10章は最終章として、ナノテクノロジーが人類にとってどのような意味を持つか、その位置付けについて、ともに議論する形でまとめられている。
このように、幅広い分野を網羅した内容を対象としてナノ物理を基礎から説き起こすバランスのとれた本書は、学部上級、大学院修士課程の学生に向けて、そして、ナノテクノロジーに興味をもつ技術者・研究者に向けての教科書として最適な内容構成となっている。"