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[BOOKデータベースより]
第1章 イントロダクション(はじめに―本書の読み方;理論生物学の眺め方;バクテリア走化性のシステム論敵実験と理論の展開)
[日販商品データベースより]第2章 生体分子の動態と制御ネットワーク(概日時計の周期の意味;不確定環境下における細胞の運命決定理論;生体分子制御ネットワークの構造の力学的解明)
第3章 分子から細胞へ(細胞における情報処理の確率性と自発的対称性の破れ;微生物の集団的な振舞い;細胞骨格の力に依存した細胞構造の動態;視覚学習を構成論的に理解する―網膜視蓋系における方向選択性の学習を例に;真正粘菌の運動と知性)
第4章 形態形成(反応拡散系のパターン形成現象への応用;多細胞体形態形成のための細胞モデル;器官形成ダイナミクスの数理)
現在、生物の高次機能を作り出す分子メカニズムが次々と明らかにされている。その結果、遺伝子や蛋白質などの多数の生体分子が相互作用する制御ネットワークが、生命現象を作り出す根源だと分かってきた。これらの複雑で動的なシステムを解明するために、数理科学や計算機シミュレーションなどの理論的方法が期待されている。しかし、実験生物学を専門にするものにとって、数理科学や物理学などの理論的手法はまだ敷居が高い。また生物学に関心をもつ理論系の研究者にとっても、生物学研究についての適当な解説書はほとんどない。
このような背景のもと、生物学における新しい手法である理論生物学を解説し、紹介する目的で本書は執筆された。本書は二つの側面を柱として持っており、「生命現象の理解に適した理論的手法のレクチャー」、及び「最先端の理論生物学研究の紹介」を目的とする。学際領域であり発展途上である理論生物学を、できるだけ包括的に紹介するために、分担執筆の形をとっている。本書は4つの章から構成されており、第1章で理論生物学の基本的な考え方や数理的手法の解説を行う。続く三つの章で、生体分子制御(第2章)、細胞機能(第3章)、形態形成(第4章)、それぞれの生命現象に対する理論を紹介しており、全体として分子から細胞以上のレベルまでを対象としている。
実験生物学分野の学生と、数理科学や物理学など理論系分野の学生の双方が、興味を持てる内容を目指した。本書は、生命科学に関心を持つ多くの読者の興味をひきつけると確信しているが、同時に本書をきっかけにして、理論生物学分野そのものが活性化することを期待している。