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[BOOKデータベースより]
序
[日販商品データベースより]転写ネットワーク:基本概念
自己制御:ネットワークモチーフ
フィードフォワードループネットワークモチーフ
転写ネットワークの時間プログラムと全体構造
発生、シグナル伝達、神経ネットワークのネットワークモチーフ
タンパク質回路のロバストネス:細菌の走化性の例
発生のロバストなパターニング
動力学的校正
最適遺伝子回路設計
遺伝子制御の需要法則
エピローグ:生物学の単純性
増殖、分化、発生、ストレス応答などの生物機能がどのように生み出されるのかを知るためには、細胞の基本的構成要素である遺伝子、タンパク質の個々の働きだけでなく、それらの全体的な相互作用ネットワークの構造を理解することが必要である。そして、そのような複雑な細胞システムを理解するためには、情報科学、工学を含む幅広い分野の知識や方法が必要である。
物理学をはじめ情報科学や工学には、基本的原理や法則があり、これらの原理や法則に基づいて、自然界の複雑な現象を理解したり、人工物の設計を行ったりすることができる。一方、ゲノム科学の進展や生体分子測定技術の進歩により、細胞内の複雑な分子間相互作用ネットワークの構造が急速に解明されつつあり、これをさらに推し進めていけば、生物の中の基本原理や法則を見いだすことができるであろう。
本書はこのような考え方に基づいて、細胞の分子ネットワークの構造と機能の関係の中に普遍的設計原理を発見することに挑戦している。ネットワークモチーフという基本構造から多様な生命機能が理解できることを示すことに成功しつつあり、他にも、適応を実現するための積分フィードバック、遺伝子翻訳や免疫システムにおけるエラー校正システム、細胞増殖のための分子ネットワークの最適化というように、工学のアナロジーに基づいた原理や法則が発見されつつある。
システム生物学に関心のある研究者、技術者、学生に、生物の設計原理の新規性や面白さを伝え、システム生物学に対する理解を深める本であり、学部〜大学院における標準的テキストとして活用できる。