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[BOOKデータベースより]
第1章 序論
第2章 カオスとレーザの基礎
第3章 レーザにおけるカオスの生成方法
第4章 レーザにおけるカオス同期
第5章 レーザカオスを用いた光秘密通信
第6章 レーザカオスを用いた高速物理乱数生成
第7章 レーザカオスを用いたその他の工学応用
本書では,「複雑系フォトニクス」という学際分野の基礎とその応用について概説する。複雑系フォトニクスとは,複雑系とフォトニクスの研究分野が融合した学問分野である。複雑系とは,カオスや非線形ダイナミクスに関する研究分野であり,一方でフォトニクスとは,レーザや光学に関する研究分野である。各々の研究分野で独自に発展してきた基礎知識を本書では融合し,複雑系フォトニクス分野として新たに構築することを試みている。
本書では,半世紀に渡る複雑系フォトニクスに関する数多くの基礎知識や研究活動について概説する。はじめにカオスおよびレーザに関する基礎知識について述べ,様々なレーザにおけるカオスの発生方法について紹介する。また,複雑なカオス信号が同一の振る舞いを示すというカオス同期の基礎についても述べる。次に複雑系フォトニクスの工学応用の例として,レーザカオス同期を用いた光秘密通信とその実装方式について詳細に述べる。さらにレーザカオスを用いた高速物理乱数生成について紹介する。加えて,情報セキュリティにおける安全な秘密鍵配送や,リザーバコンピューティング,およびリモートセンシングへの工学応用についても取り扱う。最後に実験や数値計算,および理論解析の非線形解析手法について具体的に紹介し,戻り光を有する半導体レーザを例として詳細に解説する。
複雑系とフォトニクスの融合がもたらす次世代型フォトニクスの知見を基礎から応用まで解説。情報通信社会に新風を呼ぶ一冊。