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[BOOKデータベースより]
代数幾何学は代数多様体を研究する学問である。代数多様体とは、簡単にいえば、いくつかの多変数多項式の共通零点の集合のことであり、楕円、放物線、双曲線などの2次曲線はその簡単な例である。対象がこのように基本的なものであるがゆえに代数幾何学は深く研究されており、現在では膨大な学問になってしまっている。EGAおよびこれに続くSGAを初めてひもといたときには、その膨大さに圧倒される。EGAの思想を継承しつつコンパクトに構成しなおしたものとして、HartshorneのAlgebraic GeometryやShafarevichのBasic Algebraic Geometryなどの教科書があるが、まだ分厚い本であり、より手頃な入門書が必要であるように思われる。本書は、そのようなニーズに合わせた代数幾何の入門書である。群・環・加群・体などの大学3年生の標準的な代数学の教程(たとえば、参考文献〔20〕)を学びおえた人が、Hartshorne、Mumford、Shafarevichなどの代数幾何の本格的な教科書を読むための橋渡しの役割をも念頭において執筆した。
1 可換環と代数多様体(環のイデアル;局所化 ほか)
[日販商品データベースより]2 層とコホモロジー(層とは何か;層の定義と基礎 ほか)
3 代数多様体の一般論(アフィン代数多様体の構造層;正則写像 ほか)
4 代数曲線論(代数曲線の基礎;リーマン・ロッホの定理 ほか)
5 代数幾何符号の理論(線形符号;代数曲線の有理点 ほか)
代数の観点から代数幾何を本格的に学ぶための入口の役割を果たすことを目指している。記述の仕方に工夫をこらし,基礎的部分はていねいに解説しながらも,その全体像や深い部分も知りえるように説明している。