- 底惚れ
-
徳間書店
青山文平
- 価格
- 1,760円(本体1,600円+税)
- 発行年月
- 2021年11月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784198653767
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[BOOKデータベースより]
一季奉公を重ねて四十も過ぎた。己れを持て余していた男は、密かに想いを寄せていたお手つき女中・芳の二度と戻れぬ宿下がりの同行を命ぜられる。芳への理不尽な扱いに憤り、男は彼女に奉公先を見返す話を持ちかけた。初めての極楽を味わったその夜、芳は男を刺し、姿を消した。芳に刺されて死ねるのを喜ぶ男。しかし、意に反して男は一命をとりとめた。人を殺めていないことを芳に伝えるため、どん底の岡場所のどん底の女郎屋の主となって芳を探す。最底辺の切見世暮らしの男が、愛を力にして岡場所の顔に成り上がる!
[日販商品データベースより]斬新な江戸ハードボイルド時代長編!
一作ごとに進化し続ける青山文平の語り口に酔いしれる!
女への思いにかられながら、はぐれ者だった男が、一途に自分を刺した女の行方を求める。女を捜す方便として、四六見世という最底辺の女郎屋を営みながら、女が現れるのを待つという仕儀を薦めてくれたのは、路地番の頭・銀次だった。ビジネス成功譚の側面と、女への思いを貫く純愛を縦線として、物語はうねり、意外な展開をみせる魅力的な時代長篇。
主人公は、村の生活に染まれず、欠け落ちた江戸で、すでに四十を過ぎた。一季奉公のまま、江戸にも染まぬ男たちは当時、大勢居た。根岸にある小藩の屋敷で奉公中、ご老公のお手つき女中・芳の故郷への道連れを命ぜられる。…旅の途中、訳あって芳に刺されるが、一命を取りとりとめる。自分を殺したと思い込んで、行方の知れない芳を探すために、彼女が来る可能性のある江戸の場末・入江町で最低の女郎屋を営む。はぐれ者として生きてきた切見世暮らしの男が7軒の楼主となる。商売は繁盛し、厚綿の布団を貸す損料屋にも手を出し、成功を治めるがーー。
2020年に刊行された短編集『江戸染まぬ』所収の「江戸染まぬ」を長編化。