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[BOOKデータベースより]
広がる社会の分断、無関心という病、気候変動のリスク。コロナ禍で顕在化した社会の危機、心の危機に私たちはどう立ち向かえばいいのか。新型コロナウイルス感染症の流行という「危機」を手がかりにしつつ、より広い歴史的視座のもと、過去の叡智に未来への道筋を探る神学対談。
第1章 常に直面するものとしての危機(コロナの危機のなかで;「無関心のパンデミック」 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 疾病とキリスト教(神学はどのように生まれたのか;疫病とキリスト教 ほか)
第3章 「個」から「ともにある」へ(個の危機からともにある危機へ;自分自身が、自分にとって大きな謎になる ほか)
第4章 「危機」こそ「画期」である(危機は画期になり得る―アウグスティヌスの神学の成立;危機こそ画期である―トマス・アクィナスの神学 ほか)
第5章 危機の神学者としての教皇フランシスコ(危機を予見していた教皇フランシスコ;教会の枠を超えた教皇フランシスコの回勅 ほか)
パンデミックが露わにした危機について、コロナ禍以前から踏み込んだ発言を続けている教皇フランシスコに、「無関心というパンデミック」という言葉があります。自分さえよければいい、という他者に対する無関心が世界的に蔓延しているのではないか。でも、危機というものは外側から揺り動かされ、自己閉塞的なあり方から抜け出ていく機会ともなりうる、と。
答えを安易に求めるのでなく、問いをいかに深めていくか、を教えてくれるのが神学という学問だ。
トマス・アクィナスという中世最大の神学者の研究を続けてきた山本芳久さんはそう言います。
コロナ禍では文学よりも、神学の言葉の中に多く助けられたという批評家の若松英輔さんとともに、時代の大きな危機を生き抜くための叡智の中に光を探る対談。
教皇フランシスコ、トマス・アクィナス、アウグスティヌスから
カール・バルト、西田幾多郎まで。
はじめに 山本芳久
第一章 常に直面するものとしての危機
第二章 疫病とキリスト教
第三章 「個」から「ともにある」へ
第四章 「危機」こそ「画期」である
第五章 危機の神学者としての教皇フランシスコ
おわりに 若松英輔
若松英輔(わかまつ・えいすけ)
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授・批評家。1968年生まれ。『小林秀雄 美しい鼻』で角川大財団学芸賞、蓮如賞受賞。他に『悲しみの秘儀』(文春文庫)、『イエス伝』(中央公論新社)。『霧の彼方 須賀敦子』、『キリスト教講義』(山本芳久氏との共著、文藝春秋)『日本人にとってキリスト教とは何か 遠藤周作『深い河』から考える』(NHK新書)など著書多数。
山本芳久(やまもと・よしひさ)
東京大学大学院総合文化研究科教授。1973年生まれ。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。他の著書に『キリスト教講義』(若松英輔氏との共著、文藝春秋)、『世界は善に満ちている トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)など。