[BOOKデータベースより]
1945年、春。6人の特攻隊員が、この島に不時着した。けんめいな介抱によって、いのちを救われた。あれから70年が過ぎて、いまでも交流は続いている。老いもあって、きずなは途絶える。記憶は風化される。それでも、あの戦争を語り継ごうとする人たちがいる。
プロローグ 船上にて
第1章 黒島の物語
第2章 黒島の長い一日
インターミッション 忘れられた島―
第3章 明るい母子家庭
第4章 サクラの家
インターミッション 最後の日
第5章 花になる
第6章 戦争を語り継ぐということ
エピローグ 忘れられない島
終戦間際の1945年、昭和20年の春――。薩摩半島南部にある知覧や大隅半島の鹿屋、串良の飛行場から、数千人の二十歳前後の若者たちが、爆弾を抱えた飛行機とともに沖縄を目指して飛び立った。自らのいのちと引き換えに、敵機に特攻するために……。
しかしながら、6人の特攻隊員が、鹿児島と沖縄のあいだに浮かんだ黒島という小さな島に辿り着いている。黒島の人たちは、けんめいに介抱した。それによって、いのちを救われた兵士たちもいた。そんな元特攻隊員と、黒島の人たちとの交流は、70年が過ぎた現在でも続いている。
老いとともに途絶えていくきずな。風化される記憶。それでも、あの戦争を語り継ごうとする人たちがいる! 「あの戦争から遠く離れて」の大宅賞作家が、自らのライフワークに取り組んだノンフィクション作品。
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昭和二十年春、黒島に飛来してきた青年たちがいた。彼らとの交流は七十年後の今も続く。「あの戦争」を語り継ごうとする人々の物語!