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- 「独裁」入門
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- 価格
- 770円(本体700円+税)
- 発行年月
- 2012年10月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784087206623
[BOOKデータベースより]
最近、著者の診察室を訪ねる初診患者の九割が、漠然とした不安感とイライラを訴える。経済大国の地位を失い、震災・原発事故に見舞われ、近隣諸国との摩擦も激化。将来への展望を失った国家を、不信と苛立ちに満ちた「民意」が覆っている。不寛容な大学生、言葉の真意によらず過剰反応するツイッターの世界、想像力の欠如したメディア報道など、様々な場面から日本の現状を考察。苛立つ「民意」をすくい取る嗅覚に優れた独裁型ヒーローの誕生に警鐘を鳴らす、今こそ必読の書。
第1章 「ふわっとした民意」(「いまの日本」は「かつての日本」とは違う;「よくない現実」に向き合う切り札 ほか)
第2章 独裁待望の背景にある心理(「ずるい」という批判;増殖する「怒りを抱く人たち」 ほか)
第3章 「独裁型ヒーロー」の手法(突然始まった「御用学者」批判;過激化するツイッター ほか)
第4章 ハシズムを超えて(フロイトも注目した「スプリッティング」;思考停止の世界 ほか)
経済大国の地位を失い、将来も展望できない日本を不信と苛立ちに満ちた「民意」が覆っている。それをすくい取る嗅覚に優れた独裁型ヒーローは、国家を救えるのか。政局激動の時、必読の1冊。
ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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- Tucker
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ドジでノロマな・・・
最近、著者の診察室を訪れる初診患者の多くが漠然とした不安感とイライラを訴えているらしい。
言われてみれば、「不寛容さ」が幅を利かせているような気がする。
ウラも取らずに公の場で人を名指しで批判する人(それも一般人でなく政治家)、過激な物言いや言葉尻を捉えて非難するなど。
歴史上、独裁者が使う手口は
・「敵」を作る。
・問題を単純化する。
例)悪い事は、すべて「敵」のせい。
・Yes と No の2つしか選択肢がないと思わせる。
などが挙げられる。
(これが全てではないだろうが、代表的な手口としてはこれくらいだろう)
かつて大人気だった首相や、今、話題になっている一部の政治家がこれにピッタリ当てはまるのに不気味さを感じる。
著者も思いがけず某市長に名指しで非難されてしまったが、この本の半分は、その非難に対する反論のよう。
非難した方の某市長の主張には、かなり前から「危うさ」を感じていたので、著者の主張の方に共感を覚える。
たぶん、民主主義というのは、物事一つ決めるのにも時間がかかってカッコ悪く、面倒くさいプロセスなのだろう。
「それじゃダメだから、オレに任せろ。」
と言い出す人が出てくるのは仕方ない事だと思う。
おそらく1つや2つの問題なら、颯爽とあっという間に解決するだろう。
そして、
「ほら見たろ。お前ら、ウダウダ言わず、黙って見てろ」
というセリフが加わるのは時間の問題。
未来永劫、間違える事はない、とは誰も言えない。
間違えた時、誰も何も言えない状況だったりすると・・・。
威勢のいい事ばかり言っている人や、それにすぐ乗っかる人は放っておいて、ちょっと一歩引いて、問題を見直してみる態度を忘れないでいたい。
たとえ「ドジでノロマなカメ」と言われても。
いや、昔のドラマのセリフではないから「ドジ」はいらないか・・・。
最近、著者の診察室を訪ねる初診患者の9割が、漠然とした不安感とイライラを訴える、という。バブル崩壊後、経済大国の地位を失い、震災・原発事故に見舞われ、さらに近隣諸国との摩擦も激化する今日。将来への展望も自信も失ったこの国を、不信と苛立ちに満ちた「民意」が覆っている。不寛容な大学生、言葉の真意によらず過剰反応するツイッターの世界、想像力の欠如したメディア報道など、様々な場面から日本の現状を考察。苛立つ「民意」をすくい取る嗅覚に優れた独裁型ヒーローの誕生に警鐘を鳴らす、今こそ必読の書。