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- 儒教
-
怨念と復讐の宗教
講談社学術文庫 2442
- 価格
- 1,155円(本体1,050円+税)
- 発行年月
- 2017年08月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784062924429
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[BOOKデータベースより]
生涯のほとんどを無位無官で流浪した一介の匹夫・孔子。夢破れた男の妄執が、「受命なき聖人」の神話を生んだ。時に体制擁護のイデオロギーとして利用され、時に苛酷に弾圧されながら、その底に流れるルサンチマンは二千年余りの間、払拭されることはなかった。東アジア世界の精神的紐帯として機能してきた宗教の本質を抉り、そのイメージを一新する。
第1章 孔子という男
[日販商品データベースより]第2章 受命なき聖人
第3章 まやかしの孔子王朝
第4章 神秘化される孔子
第5章 孔子、ついに王となる
第6章 儒教神学の完成
終章 ルサンチマンの宗教
わずかな領地も持たず、生涯のほとんどを無位無官で流浪した一介の匹夫・孔子。みじめな人生を送った男の妄執が、復讐の宗教を生んだ。時に体制擁護のイデオロギーとして利用され、時に革命思想として弾圧されながら、その底に流れるルサンチマンの精神は2500年にわたって払拭されることはなかった。今、関心を集める「儒教」とは? 特異な宗教の正体を暴き、「聖人君子の道徳」という従来のイメージを覆す、新視角の儒教論。
2000年余りにわたって、東アジア、特に中国・韓国の文化と思想に大きな影響を及ぼしてきた「儒教」に、今、関心が集まっている。しかし、「儒学」ではなく「儒教」とはいったいどんな宗教なのか――日本では意外に知られていない。
本書では、学術文庫『諸子百家』や『孫子』などで、中国の古代思想研究者として知られる著者が、儒教という特異な宗教の成り立ちと正体を暴いていく。
わずかな領地も持たず、生涯のほとんどを無位無官で流浪した一介の匹夫・孔子。政界に地位を得て為政に参画せんと野望を抱きながら挫折し、みじめな人生を送ったこの男の妄執が、怨念と復讐の宗教を生んだ。名声では王公を凌いだ、天子にこそなれなかったが功業は堯・舜を凌ぐ――孔子の弟子たちや後世の儒者が執拗に語るほど、そこには「受命なき聖人」の情念が色濃くにじみ出ている。
時に体制擁護のイデオロギーとして利用され、時に革命思想として弾圧されながら、その底に流れるルサンチマンの精神は払拭されることはなかった。そして清朝末期、近代にいたり、変法自強運動の旗手・康有為の手によって「儒教神学」は完成する。「聖人君子の道徳」という従来のイメージを覆す、新視角の儒教論。
[原本『儒教 ルサンチマンの宗教』平凡社新書、1999年刊]