[BOOKデータベースより]
将来を嘱望された若きエリートが身を賭して暴くウォール街の真実。
第1章 「わかりません。でも、すぐに調べます」
第2章 最悪の日々、飛躍の日々
第3章 スプリングボックの着地点
第4章 何かが終わった…
第5章 カジノ・ゴールドマンへ、ようこそ
第6章 大型取引を狩る日々
第7章 ウォール街、深淵をのぞき込む
第8章 顧客には四種類ある…
第9章 「この怪物どもが」
第10章 ロンドンへの栄転
第11章 ロンドン支店は荒野だった
顧客の利益第一を掲げ信頼を得てきた名門投資銀行はいつからこんな会社に堕落してしまったのか。同時多発テロ、世界金融危機、欧州政府債務危機などを経るなかで、ゴールドマン・サックスは変質した。、顧客を「マペット」つまり「他人に操られる馬鹿で愚かな奴」といってはばからぬ金儲け第一主義に堕した。アメリカ金融界なぜここまで腐食していったのか? 愛し、忠誠を尽くした会社を去るにあたっての覚悟の一冊。
日本の読者のみなさまへ
多くの人にとってウォール街は謎めいた場所のようです。私はあなたのような一般読者のことを念頭に、本書を執筆しました。「大手の銀行がなぜあれほど金儲けができるのか」「金融機関の〈社風〉はどのようにその会社を形づくっているのか」「どういう人物が出世するのか」、それから「金融機関はどうやって利益相反を犯して収益を上げるのか」といった業界の謎を、本書では解き明かしています。この本で目を開かれた、おもしろかったとみなさんが思ってくださることを願ってやみません。――グレッグ・スミス
スタンフォード大学を卒業した私は、合格率2.2パーセントの超難関を突破してゴールドマン・サックスに就職。ところが、2001年9月11日、同時多発テロが襲う。
9・11後の強烈な収縮局面から脱していない金融市場はリストラの嵐が吹き荒れていたが順調に仕事をこなしていた私は、デリバティブについて学ぶ日々を送る。
2006年、ウォール街は上げ潮状態だった。6月にブランクファインが会長兼CEOに就任。投資銀行からトレーディングへと大きく軸足が動いていく。株式デリバティブ部門でも好成績を残した私は、ヴァイス・プレジデントに昇格した。
2008年3月にベア・スターンズ、9月にはメリル・リンチとリーマン・ブラザーズが破綻。AIGも存亡の危機に陥る。そんな中、ゴールドマン・サックスは銀行持ち株会社に移行した。銀行救済を目的とするTARPが議会で可決された。「トゥー・ビッグ・トゥー・フェイル」というわけだ。
2009年には回復基調にあったゴールドマン・サックスは、金融危機を乗り越える過程で別の会社に生まれ変わってしまった。2010年4月、ゴールドマン・サックスはSECより詐欺罪で提訴された。収益第一、顧客第二に変わりつつある社風。この会社はどこへ向かっているのか。
ロンドン転勤の打診を受けた私は、メンターに相談し、ついに決断する。着任した私は、ロンドン支社の異様なまでに儲け第一の路線に違和感を憶える。もはや顧客第一を標榜したゴールドマン・サックスは過去のものだった。たび重なる失望、諦念の末、私は自分が愛し、尽くしたこの会社を去る決心を固めることになる。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 事業性評価と企業支援の深化
-
価格:4,070円(本体3,700円+税)
【2025年09月発売】
- 金融論 第4版
-
価格:2,530円(本体2,300円+税)
【2025年02月発売】






















二〇〇〇年六月、スタンフォード大学三年生で経済学専攻だった私は、ゴールドマン・サックスの夏期インターンシップに臨んだ。これは就職のいわば登竜門だ。
合格率二・二パーセントの超難関を突破して就職。ところが、二〇〇一年九月一一日、同時多発テロが襲う。混乱低迷する市場のなか、私はささやかではあるが記念すべき初トレードをこなした。
九・一一後の強烈な収縮局面から脱していない金融市場はリストラの嵐が吹き荒れていた。順調に仕事をこなしていた私は、自身の生き残りをかけてデリバティブ部門の扉を叩くことになる。