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- 北区の太
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働きアリの法則
「光秀の定理」に続く、この作者の歴史もの。「働きアリの法則」(パレートの定理)を下敷きに信長の考え方・生きざまを描いた傑作。幼い頃から母親から愛情を注がれず、他人を信じることが出来なくなった信長の成長からその神をも恐れぬ性格が形成される過程をリアリティ溢れる筆致で描いている。神を信じない代わりに、その精神は目的達成のためには徹底的に合理性・効率を追求し、そのためには部下を牛馬のごとく使い、邪魔するものは徹底的にたたきつぶすという方向に向かう。信長の思考・精神性はまさにこうだったのではないかと思わせてくれる。その合理性・効率追求のための指針となったのが、「働きアリの法則」。理屈は分からなくとも、その法則を普遍性を信じ活用して行くのだが、最後には思わぬ誤算が。もう1つの誤算は、「神の見えざる手」か。神を信じぬ男が、最後には「働きアリの法則」を適用する不思議な力を感じるのだが、その時にには既に...。この「働きアリの法則」は、最後、信長だけでなくもう1人の男にも適用される。このドンデン返しも見事。前回の書評でも言ったが、この作者の才能は恐ろしい。直木賞受賞することを期待する。
[BOOKデータベースより]
吉法師は母の愛情に恵まれず、いつも独り外で遊んでいた。長じて信長となった彼は、破竹の勢いで織田家の勢力を広げてゆく。だが、信長には幼少期から不思議に思い、苛立っていることがあった―どんなに兵団を鍛え上げても、能力を落とす者が必ず出てくる。そんな中、蟻の行列を見かけた信長は、ある試みを行う。結果、恐れていたことが実証された。神仏などいるはずもないが、確かに“この世を支配する何事かの原理”は存在する。やがて案の定、家臣で働きが鈍る者、織田家を裏切る者までが続出し始める。天下統一を目前にして、信長は改めて気づいた。いま最も良い働きを見せる羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益。あの法則によれば、最後にはこの五人からも一人、おれを裏切る者が出るはずだ―。
[日販商品データベースより]何故おれは、裏切られ続けて死にゆくのか。
織田信長の飽くなき渇望。家臣たちの終わりなき焦燥。
焼けつくような思考の交錯が、ある原理を浮かび上がらせ、
すべてが「本能寺の変」の真実へと集束してゆく――。
まだ見ぬ信長の内面を抉り出す、革命的歴史小説!
吉法師は母の愛情に恵まれず、いつも独り外で遊んでいた。長じて信長となった彼は、破竹の勢いで織田家の勢力を広げてゆく。だが、信長には幼少期から不思議に思い、苛立っていることがあった――どんなに兵団を鍛え上げても、能力を落とす者が必ず出てくる。そんな中、蟻の行列を見かけた信長は、ある試みを行う。結果、恐れていたことが実証された。神仏などいるはずもないが、確かに“この世を支配する何事かの原理”は存在する。そして、もし蟻も人も同じだとすれば……。やがて案の定、家臣で働きが鈍る者、織田家を裏切る者までが続出し始める。天下統一を目前にして、信長は改めて気づいた。いま最も良い働きを見せる羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益。あの法則によれば、最後にはこの五人からも一人、おれを裏切る者が出るはずだ――。
累計10万部超え『光秀の定理』の空白はここに繋がり、歴史小説はまた、進化を遂げる。
【絶賛の声!】
歴史小説に確率論を導入した『光秀の定理』の画期は前兆に過ぎなかった。
パレートの定理を応用した『信長の原理』は、システム論的歴史小説という壮大な実験だ。
誰も見たことのない、まったく新しいエンターテインメントの形がここにある。
――斎藤環氏(精神科医)
この本で信長は心理学者であり、それ以上に明敏な社会学者である。
あの謀反の原因も、信長の「社会学説」から解き明かされる。
――大澤真幸氏(社会学者)
史実を踏まえた奇抜な着眼!
――谷口克広氏(戦国史専門・歴史研究家)
司馬遼太郎も思いつかなかった、組織論と人事論に根拠を置いた戦国もの。
良い本と巡り合った!
――菊池仁氏(書評家)
「パレートの法則」を通して物事の本質を見る信長を描きつつ、
論理からこぼれ落ちる情の部分をもしっかりと描いている。
見事な一作という他はない。
――縄田一男氏(書評家)