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キーツの作品の中でも貼り絵の技法がひと際効果的な、シンプルだけどとても印象に残る美しい絵本です。雪の中に立ったときのピーターのわくわくした気持、とめられない好奇心などが画面から直接伝わってきます。小さい子や大人も関係なく雪の美しさに感動するでしょう。
(絵本ナビ編集長 磯崎園子)
1月のおはなし会は2、3日前から雪が降り、当日もやっぱり寒い朝でした。赤ちゃん連れでの外出は厳しいだろうね、と「おはなしおばさん」4人で話していましたが、それでも真っ赤なホッペで来てくださった親子さんに感謝しつつ・・・「ゆきのひ」を紹介しました。
数年前、小学生にこの本を紹介したときは、有名な絵本だし、色の美しさ、絵の躍動感に惹かれて選びましたが、正直言ってストーリーの深さまでは私自身がピンとこなかったのです。その後、数人の方からも同じ意見をうかがったり、なかには「絵はいいけど、小さい子にはテキスト(文章)の感性が難しすぎるのでは?」という意見も聞きました。いろいろな方の感想を聞いて、再度じっくりと見てみよう・・・と思っていたところで、時期的にぴったりの機会が訪れたのです。
久しぶりに出会ってみると、なんてこどもの心を美しく表しているのだろう!と感動してしまって自分でもビックリ。ページをめくるたびに
わたしはピーターと雪の日を楽しんでいました。そうして息子が小さいとき、やっぱり雪玉を誇らしげに家に持って帰ったことや、それが溶けたときの悲しげな眼差しや、その晩私とお風呂の中で、雪はどこに行ったのかと話したことなどを思い出しました。息子もあの雪の日、大きい子たちと遊べなかったかもしれない、木の棒で雪を落としたかもしれない、ピーターみたいな夢をみたかもしれません。そして、もっとずっとまえの雪の日、小さかったわたしも・・・。そんな、いろんな感慨を胸に抱いて、おはなし会で読んでみました。この絵本の素敵なところが、少しでも届いていたらうれしいな。(ふぇるとさん 40代・広島県 )
【情報提供・絵本ナビ】