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[BOOKデータベースより]
1968年、世界の若者が旧世代と闘った年。日本の若者も激しく動き、新たな潮流が生まれた。映画、漫画、音楽―。新旧衝突のエネルギーは何を創造し、そして大衆は何を愛したのか?混沌の深層を詳細、濃密に描きだす!
前夜―一九六七年一二月三一日
[日販商品データベースより]第1話 ザ・タイガースと若者たちの闘争
第2話 「少年マガジン」と漫画雑誌攻防戦
第3話 若きエースたち―江夏豊と星飛雄馬
第4話 映画スターたちの独立戦争
いくつかの後日譚
50年前、1968年の日本は「昭和の青春」の真っただ中にいた。世界のそして日本の新世代が、旧世代に「異議申し立て」をして、そのエネルギーが噴出した年である。漫画、映画、音楽など、大衆が愛した「文化」にもエポックメーキングの事象が続出する。日本人の情念が作り変えられた「日本がいちばん熱い」1年だったのだ。 例えば、ごく一部を挙げるとーー。あしたのジョー、巨人の星、高倉健、石原裕次郎、黒部の太陽、帰ってきたヨッパライ、江夏豊。また、3億円事件という、いまだ謎に包まれた出来事もあった――。 1968年第1号(前年末発売)の「少年マガジン」で「あしたのジョー」の連載がスタート。矢吹ジョーが疾走し始める。テレビでは「巨人の星」のアニメ(当時はテレビマンがと称した)が開始、星飛雄馬の根性物語が熱視線を浴びる。東映では高倉健の任侠映画が人気のピークに達していた。石原裕次郎と三船敏郎が「五社協定」をぶち破り、大作「黒部の太陽」を完成させ公開にこぎつけた。 ザ・フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」は前年末にリリースされるや、またたくまにミリオンセラーに駆け上った。「巨人の星」の中で同時進行のかたちでも登場した阪神タイガースの江夏豊は、実際の対巨人戦で王選手から三振を奪い、劇的な記録を達成した。 以上の事例だけではない。大衆が愛してやまなかった「文化」を詳細に、濃密に描き切る。熱い1年からちょうど半世紀。私たちの「成熟」と「喪失」をも描き切っているのである。