[BOOKデータベースより]
功なり名遂げた人物の姿を、いつまでもこの世にとどめたい。この気持ちから“銅像”は生まれた。明治の日本に最初の“銅像”が出現した時、それは記念碑の頂きに舞い降りたかのようだった。やがて都会は銅像だらけになるものの、戦争はそれらを潰して武器に変え、敗戦は軍人像を追放し、近年では“ゆるキャラ”が、黒くて堅くて動かない“銅像”を追い立てている。百年前に日本社会が迎え、いまは忘れ去りつつある“銅像時代”を、著者一流の語り口で、スリリングに描き出す!
序章 銅像時代のはじまり 一九〇九
第1章 屋根の上のつくりもの
第2章 さすらう金鯱
第3章 殿様の銅像
第4章 横浜清正公ストリートにて
第5章 台座考―建築家と記念碑
第6章 ある騎馬像の孤独―戦争が終わって転々とするもの
終章 銅像時代のたそがれ 二〇〇九






















人物の功績を後世に伝えるはずの銅像が時代によって評価を変えられていくさまを、スリリングにたどる。