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[BOOKデータベースより]
アガサ・クリスティーの傑作にして問題作『アクロイド殺し』。語り手=犯人とされる大胆な設定は探偵小説への挑戦であり、これまで多くの解釈がなされてきた。その奇妙な物語世界は、語り手の冤罪の可能性を示す「余白の声」や不確定性を、そして因果連関と「運命の相似形」をめぐる、果てなき問いの深淵を覗かせる。作品の精読と、それが書かれた時代的・社会的背景の探索から「言語」それ自体の謎に肉薄する。
第1章 余白の声(語り手は嘘をつかない?;もうひとり犯人がいる?)
第2章 事件の概要(テクストの境界;事件の概要)
第3章 二つの推理(薄氷を踏む推理;探偵小説の構造と語り手)
第4章 物語の典率(犯人の影像;嘘つきの告白)
第5章 事件の書式―無実のエクリチュール(語りのなかの仕掛け;テクストの不安)
第6章 運命の双数(運命のディスクール;作者の失踪、被害者の運命)