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[BOOKデータベースより]
現代日本において「長寿」は本当に寿がれることなのだろうか。高齢ドライバーによる自動車事故の増加、福祉施設での虐待事件―こうした問題は、有史以来、初めて経験する「超高齢化社会のひずみ」なのだ。そのひずみが政治や法律、社会制度では解決できない段階にまで進んだ今、我々はどう生き、どう老いるべきなのか。作家・曽野綾子が説く「退き際の美学」とは。
第1章 長寿社会の「副作用」(就職口;病気の予約 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 誠実で強烈な個性の人々との思い出(素顔;受容する姿勢 ほか)
第3章 一つ屋根の下に住む命を楽しませよ(プロとアマ;金持ちは働き者 ほか)
第4章 豊かな国に拡がる「知の貧困」(ウッサ、ウッサ;反証実験のできる国 ほか)
幕引きのための精神を備えよ
高齢ドライバーによる事故、福祉施設での虐待事件――これらは日本が超高齢化社会になった結果生じてしまった「副作用」ともいえるのではないだろうか。だがこれは、国家が制度で解決できるたぐいのものでもない、と曽野氏は言う。
これからは老人自身が、人間として尊厳ある「生涯の退き際」を迎えるために、心身を備える必要があるのだ。
本書は、曽野氏自身が夫・三浦朱門氏を91歳で看取るなかで実感してきた「高齢者の生き方」について綴ったエッセイのほか、豊かで贅沢な国に慣れた日本人が陥る「体験不足からくる無知」への批判、夫の死後に飼い始めた愛猫「直助」との温かな生活の様子などで構成。
86歳を迎え、「この世を辞退する」覚悟のもと、品位ある生き方を説く一冊。
【編集担当からのおすすめ情報】
「年齢相応に体力がなくなってきている分、今までにないほど頭がよく廻る」と本書にもある通り、86歳を迎えてますます筆が冴える「曽野節」。
「長く生きる」ことだけを目的とせずに、「善く生きる」ための箴言に満ちた一冊です。どのページを開いてもその言葉に叱咤激励され、背筋が伸びます。