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「オススメの夏の文庫100冊」レビューコメント
映画にもなったあの『麻雀放浪記』の、続編と言える小説。生きているのか死んでいるのかわからないような生活をしていた哲也。たばこやで万引きしようとしてつかまってしまう。それをきっかけにある日突然、博打うちの本性が目を覚まし刑務所でいっしょになったひよっこと奇妙なギャンブル奇行が始まる。魑魅魍魎のような博徒たちを相手に、運だけで乗り切ろうとするひよっこ。それに業を煮やす哲也だが、坊や哲と言われた昔の技はなりを潜めいいところなし。片目の予想屋、抜群の運と感を持つ女賭博師などを巻き込み話は博打へのめり込んで行き、昔の鉄火場の様相を呈してくるもののギャンブルがゲームとなってしまった現代にまるでシーラカンスのように取り残されてしまっている哲也。それがそういう悪友たちとの関係から息を吹き返し再びみずみずしい博打うちへと変貌を遂げていく。そして話はクライマックスへ。ひよっこを介して知り合った金持ちに見込まれ友達同士の海外カジノツアーのガイドを引き受けたもののそこで哲也のギャンブラーとしてのつきが爆発。賭場の金をすべて一人占めするかというほど勝ち続ける。そして大金持ちとなって日本に帰国。これでハッピーエンド、と思わせておきながら最後の最後に大どんでん返しが待っている、というあらすじ。夏の蒸し暑い夜に、すかっと爽やかな風を送り込む一冊でしょう。
[日販商品データベースより]
かつてバクチの世界でならした私も、すっかり中年男になってしまった。が、ふとしたきっかけで年若い友人を得て、麻雀にバカラに久しぶりに燃えた。(沢木耕太郎)