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明智光秀の心理描写が秀逸
藤沢周平の作品は数多く出版されています。「たそがれ清兵衛」をはじめ映像化されたものも多く、短編にも味わい深い作品があります。その中で明智光秀を描いた短編がこれです。明智光秀については言うまでもありませんが、本能寺の変から12日後に山崎の合戦で戦死することになります。この作品は光秀の心理状態に焦点を当て、本能寺の変前夜の連歌の会から山崎の合戦の直前までを近辺のものどもとの会話を交えながら描いています。著者の作品では結末を少し残して終わらせるという手法が時々見られますが、この作品も味わい深い読後感でした。