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[BOOKデータベースより]
「子どもなんて、いなければよかった」作家・柳美里が、小説に閉じ込めてきた「過去」と初めて向き合った、家族「再生」への感動ノンフィクション。
なぜわたしは愛するわが子を叩くのか
「虐待」―カウンセリング第一回2009年8月1日
夢に出てきた男の正体
ある「虐待母」を訪ねて―名古屋にて
「二つの夢と息子」―カウンセリング第二回2009年10月31日
わたしと息子の現在
「母性」―カウンセリング第三回2009年11月1日
畠山鈴香と「碧いうさぎ」
父が死ぬ前に、話しておくこと
「26年ぶりの対話の前に」―カウンセリング第四回2010年1月24日14時
棘を失くした時計
「父・柳原孝に逢う」―カウンセリング第五回2010年1月24日16時
記憶にかかるフィルター
「最後の夢で見たもの」―カウンセリング最終回2010年1月25日
家族という檻のなかで
柳美里が小説に閉じ込めてきた「過去」と向き合った感動ノンフィクション
「柳美里に虐待疑惑」――臨床心理士・長谷川博一氏とのカウンセリングを受けながら、みずからの過去の闇を照らす作業に入る。
(柳美里のカウンセリングを行う長谷川博一氏は秋田連続児童殺害事件で畠山鈴香の心理鑑定を行うなど、心理療法、犯罪心理<心理学的鑑定>を専門とする臨床心理士。)
<推薦コメント>
肩書きも、洋服も、そして顔の皮膚さえ剥き去って、
血を流し痛みにのたうちまわりながら、家族に、自分に正面から
向き合う―。ここまでしなければ“治癒”に至らないのだとしたら、
精神科医として私がやって来たことはウソなのか。
精神科医をやめたい、とはじめて思った。
香山リカ(精神科医)
柳美里は「親と子」の関係を、もっとも濃密な愛情ともっとも激しい憎しみが
混ざり合う戦場として描いた。一度読み始めれば、読者は目をそらすことが
できない。そして、最後に、これが絶望を希望に変える戦いの記録であるこ
とに気づくのだ。
高橋源一郎(作家)
闇は、すべての家族にある。
この本は、その闇を消し去るための光ではなくて、その闇を見るための光だ。
そしてもしそうであるなら、光が光として在るための闇、という言い方も、
できるのかもしれない。
江國香織(作家)
生きていることの意味を知れば、どう生きてゆくかを見つけるのは容易い。
柳 美里 悲しいくらいに繊細で美しい人。
土屋アンナ(モデル・女優)
――「二つの約束をしていただきたい。
一つは、自分の命を消さないということ。
もう一つは、ほかのひとの命を消さないということ。
約束できますか?」
2008年、柳美里宅に児童相談所の福祉司たちが訪れた。ベストセラー『命』でもその誕生を描かれた柳美里の長男は、いま10歳になる。児童虐待を疑われた柳美里。そして、彼女も実の親から虐待を受けていた。
果たして、これは「再演」なのか。虐待の連鎖を止めることはできないのか。
そして、最後に、彼女の闇を作り上げてきた一人の人物―父と26年ぶりの対決で、すべてが明かされる。
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父親から虐待を受け、自身も息子に虐待をしたと疑われた著者柳美里。彼女が自身の小説の中に秘めてきた「過去」と向き合う感動ノンフィクション。