- 二十面相の呪い
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- 価格
- 660円(本体600円+税)
- 発行年月
- 2005年02月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784591084380
[BOOKデータベースより]
古代研究所の一室でおこった奇怪な事件。しめきった研究室から、ひとりの大学生が消えた。部屋には、呪いのいいつたえがあるエジプトの巻き物がおかれたまま…。密室の謎ときにのりだす明智探偵。小林少年は、ひと晩エジプトの部屋で見はりをすることになる。真夜中、部屋にぶきみな異変がおこりはじめた。
[日販商品データベースより]古代研究所の一室で起こった奇怪な事件。閉め切った研究室から、ひとりの大学生が消えた。部屋には、呪いの言い伝えがあるエジプトの巻き物が置かれていた。明智探偵が密室の謎解きに乗り出し…。
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昭和35年(1960年)に子ども向け雑誌に連載された、ミステリー小説。ミイラの呪いを暗示させるような不気味な雰囲気が、全体的に漂い、推理小説&ホラー小説風の面白い世界を堪能できる。
今の現役☆子どもたちには、ちょっと理解できない世界観かもしれないが、40代以上の人なら、ミイラをテーマにした映画やゲーム、マンガなどに親しんだ経験があると思うので、むしろ大人の方が楽しめる作品かもしれない。文庫本なので、安いし、持ち運びも便利なので、仕事や人生に疲れたら、ちょっと現実逃避してこの世界で遊んでみてもいいかも!?
少年探偵シリーズらしい、突飛な展開、どんどん不思議なことがあこもこれもずんずん起きる気前の良さ。(アメ横のチョコレートのたたき売りを思わせる) 息もつかせず、アッという言う間にすごいことが終わってしまうのは、ジェットコースターのようで、楽しい。レトロな遊園地に紛れ込んだような読後感だ。
誰にでも不気味なものや不思議なもの、お化けなどは話のネタとしては非常に魅力的。「なんで?」と考えているうちに話がどんどん進んでいって、推理されて種明かしされる快感を味わえるなんて、美味しいものを2つ合わせたカツカレーのような豪華な設定なのだ。おなか一杯の充実感である。
それにしても、子どもの頃から不思議だったのは、ミイラと吸血鬼とフランケンシュタインが、西洋おばけの三大スタアさんの扱いだったこと。調べてみたら、昭和30年代ごろ(ざっくり1950年代ー1960年代あたり)、それらのモンスターをテーマにした洋画が大流行りしたらしい。日本でも昔のアニメで「怪物くん」があったが、洋画や当時の流行の影響などもあったのだろう。
昔の洋物おばけ3大スタアさん達のことを、今の子どもたちはどう思うのだろうか?
お化けやあの世系の絵本や児童書が結構流行っているのを見ると、どうも、今は今の時代にあったスタアさんたちが活躍中らしい。
便利な道具がいっぱいあって、暮らし方も大きく変わってしまった世代にとっては、この小説は、ある意味「時代小説」的な感覚かもしれないけど、是非とも一度読んでみてほしい。(渡”邉恵’里’さん 30代・東京都 )
【情報提供・絵本ナビ】