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- 輝ける闇 改版
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- 価格
- 737円(本体670円+税)
- 発行年月
- 2010年07月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784101128092
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あまりに濃厚な「20世紀の記録」
60年代中期、開高健が従軍記者として体験したベトナム戦争を舞台とした作品。
記者としての「ルポ」「記録」は朝日文庫「ベトナム戦記」として出ているが
こちらは開高健自身の実体験と想像、現地での見聞、後日の回顧…フィクションとノンフィクションを
ごちゃまぜにした「小説」という形で結実している。
しかしそのごちゃまぜぶりこそが、混沌・混乱を極めた「ベトナム戦争」を象徴しているのではないか。
修飾語を駆使した濃密な文章も、東南アジアの絡みつくような暑さと匂い、濃厚な空気感を想起させる。
北と南。アメリカとベトナム。戦争と平和。静寂と喧騒。森と街。緊張と倦怠。諦念と激情。
そして生と死。
相反する2つの間を「第三者」でしかない主人公は煩悶しながら揺れ動く。
初めてラストを読み終えた時の衝撃は忘れられない。
体験したものでしか描き得ないリアルな情景を圧倒的なボキャブラリーで構築・昇華した開高作品の
金字塔。
戦争はいやだ。