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扶桑社新書 310
扶桑社 小笠原理恵
点
予算不足で隊員も制服も装備も弾薬も足りない!災害派遣やPKO活動を通し、多くの国民から尊敬される一方で彼らはずっと耐え忍んできた…。気鋭の国防ジャーナリストが警鐘を鳴らす自衛隊が抱える「働き方改革」の課題。
第1章 “ブラック公務員”の実態(自衛隊のトイレは駐屯地によってはトイレットペーパーが常備されていない;予算不足でトイレを「封鎖」してしまう基地も ほか)第2章 自衛隊員のセーフティネット(紛争時、自衛官の防衛出動手当はいくらもらえるのか?;自衛官が戦場で負傷をしたら保険はいくら下りるの? ほか)第3章 自衛隊の戦力は本当に世界6位なのか?(自衛隊の射撃訓練はクレー射撃の選手より撃つ回数が少ない;自衛隊の「武器・弾薬・燃料・人員」は十分か? ほか)第4章 見えない法律に縛られる自衛隊(朝鮮半島有事の“武装難民”に自衛隊は発砲できない;防衛省で襲われた自衛官が銃に実弾さえ入れられない悲哀 ほか)第5章 自衛隊は「虐げられる存在」なのか?(訓練するほど騒音反対運動が起きてしまうジレンマ;制服自衛官は人目を憚って昼食を摂る ほか)
自衛隊員が基地のトイレを使用する際、トイレットペーパーは「自腹」で購入しなければならない――。2018年11月、こんな嘘のような本当の話が国会の質問で取り上げられたのは、著者がWebメディア「日刊SPA!」に掲載した一本のコラムがきっかけでした。日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……。2019年4月から「働き方改革」関連法が施行され、多くの民間企業で労働環境が劇的に改善されていますが、自衛隊員は今なお「ブラック企業」と見まがうほどの過酷な働き方を強いられています。「自衛隊は『残業手当』も『休日手当』もつかない」「頻繁に全国異動があるのに引っ越し費用の半額が自己負担」「公務員宿舎が削減され『緊急参集要員住宅』が確保できない」「潜水艦乗組員は休みなしの長時間勤務で“無限労働地獄”」「定年が53歳と早いため年金受給の65歳までどう暮らせばいいのか?」 恒常的な予算不足がもたらす皺寄せは、自衛隊の施設や装備品にも暗い影を落としています。「予算が足りず制服が揃えられない」「弾薬が足りないため実弾射撃訓練の回数はクレー射撃の選手よりも少ない」「文具、演習用のマガジンポーチ、車のタイヤも仲間内で集めた『カンパ』で購入している」 中国が海洋進出を加速させ、北朝鮮も弾道ミサイル発射を繰り返すなど、現在、日本を取り巻く安全保障環境は大きく変化しています。にもかかわらず、自衛隊がこのような窮状を抱えたままで、いざというときに即時対応できるのでしょうか? 平成30年1月に内閣府が行った「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」によると、自衛隊にどのような印象を抱いているかを問う質問に対して、「良い印象を持っている」と「どちらかといえば良い印象を持っている」と答えた人の割合は、合わせて89.7%に上ります。大規模災害が起きるたびに駆り出され、被災者の傷付いた心に寄り添いながら人名救助や復旧作業に汗を流す……。そんな自衛隊員一人ひとりの献身的な姿が、国民の間で広く好意的に受け止められている結果と言えるでしょう。しかしながら、彼らの待遇はそれに見合うものなのか? 現在、日本にとってエネルギー供給の「生命線」と言えるホルムズ海峡を巡って、米国とイランの間で緊張が高まっていますが、10月から開かれる臨時国会では、米国が主導する「有志連合」に自衛隊を派遣するか否かについて議論される見通しです。 時に自らの命を賭して過酷な任務に当たらなければならないにもかかわらず、自由に物が言えないことをいいことに、理不尽な待遇を強いられてきた彼らの実情を、気鋭の国防ジャーナリストがリポート。自衛隊が抱える問題を浮き彫りにします。
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1位
又吉直樹
価格:1,320円(本体1,200円+税)
【2015年03月発売】
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[BOOKデータベースより]
予算不足で隊員も制服も装備も弾薬も足りない!災害派遣やPKO活動を通し、多くの国民から尊敬される一方で彼らはずっと耐え忍んできた…。気鋭の国防ジャーナリストが警鐘を鳴らす自衛隊が抱える「働き方改革」の課題。
第1章 “ブラック公務員”の実態(自衛隊のトイレは駐屯地によってはトイレットペーパーが常備されていない;予算不足でトイレを「封鎖」してしまう基地も ほか)
[日販商品データベースより]第2章 自衛隊員のセーフティネット(紛争時、自衛官の防衛出動手当はいくらもらえるのか?;自衛官が戦場で負傷をしたら保険はいくら下りるの? ほか)
第3章 自衛隊の戦力は本当に世界6位なのか?(自衛隊の射撃訓練はクレー射撃の選手より撃つ回数が少ない;自衛隊の「武器・弾薬・燃料・人員」は十分か? ほか)
第4章 見えない法律に縛られる自衛隊(朝鮮半島有事の“武装難民”に自衛隊は発砲できない;防衛省で襲われた自衛官が銃に実弾さえ入れられない悲哀 ほか)
第5章 自衛隊は「虐げられる存在」なのか?(訓練するほど騒音反対運動が起きてしまうジレンマ;制服自衛官は人目を憚って昼食を摂る ほか)
自衛隊員が基地のトイレを使用する際、トイレットペーパーは「自腹」で購入しなければならない――。
2018年11月、こんな嘘のような本当の話が国会の質問で取り上げられたのは、著者がWebメディア「日刊SPA!」に掲載した一本のコラムがきっかけでした。
日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……。2019年4月から「働き方改革」関連法が施行され、多くの民間企業で労働環境が劇的に改善されていますが、自衛隊員は今なお「ブラック企業」と見まがうほどの過酷な働き方を強いられています。
「自衛隊は『残業手当』も『休日手当』もつかない」「頻繁に全国異動があるのに引っ越し費用の半額が自己負担」「公務員宿舎が削減され『緊急参集要員住宅』が確保できない」「潜水艦乗組員は休みなしの長時間勤務で“無限労働地獄”」「定年が53歳と早いため年金受給の65歳までどう暮らせばいいのか?」
恒常的な予算不足がもたらす皺寄せは、自衛隊の施設や装備品にも暗い影を落としています。
「予算が足りず制服が揃えられない」「弾薬が足りないため実弾射撃訓練の回数はクレー射撃の選手よりも少ない」「文具、演習用のマガジンポーチ、車のタイヤも仲間内で集めた『カンパ』で購入している」
中国が海洋進出を加速させ、北朝鮮も弾道ミサイル発射を繰り返すなど、現在、日本を取り巻く安全保障環境は大きく変化しています。にもかかわらず、自衛隊がこのような窮状を抱えたままで、いざというときに即時対応できるのでしょうか?
平成30年1月に内閣府が行った「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」によると、自衛隊にどのような印象を抱いているかを問う質問に対して、「良い印象を持っている」と「どちらかといえば良い印象を持っている」と答えた人の割合は、合わせて89.7%に上ります。大規模災害が起きるたびに駆り出され、被災者の傷付いた心に寄り添いながら人名救助や復旧作業に汗を流す……。そんな自衛隊員一人ひとりの献身的な姿が、国民の間で広く好意的に受け止められている結果と言えるでしょう。
しかしながら、彼らの待遇はそれに見合うものなのか?
現在、日本にとってエネルギー供給の「生命線」と言えるホルムズ海峡を巡って、米国とイランの間で緊張が高まっていますが、10月から開かれる臨時国会では、米国が主導する「有志連合」に自衛隊を派遣するか否かについて議論される見通しです。
時に自らの命を賭して過酷な任務に当たらなければならないにもかかわらず、自由に物が言えないことをいいことに、理不尽な待遇を強いられてきた彼らの実情を、気鋭の国防ジャーナリストがリポート。自衛隊が抱える問題を浮き彫りにします。