- 貧困旅行記 新版
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- 価格
- 737円(本体670円+税)
- 発行年月
- 1995年04月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784101328126
[BOOKデータベースより]
日々鬱陶しく息苦しく、そんな日常や現世から、人知れずそっと蒸発してみたい―やむにやまれぬ漂泊の思いを胸に、鄙びた温泉宿をめぐり、人影途絶えた街道で、夕闇よぎる風音を聞く。窓辺の洗濯物や場末のストリップ小屋に郷愁を感じ、俯きかげんの女や寂しげな男の背に共感を覚える…。主に昭和40年代から50年代を、眺め、佇み、感じながら旅した、つげ式紀行エッセイ決定版。
旅写真
蒸発旅日記
大原・富浦
奥多摩貧困行
下部・湯河原・箱根
鎌倉随歩
伊豆半島周遊
猫町紀行
日川探勝
ボロ宿考〔ほか〕
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ユーザーレビュー (2件、平均スコア:5)
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「3 SPECIAL BOOKS」レビューコメント
【その他】 昭和40年代から50年代の旅行記ですが、時代背景と作者の志向があいまって、貧困という言葉とともに、「隠遁」「漂白」などの言葉が似合う、どこかしらわびしさを感じさせる内容となっています。紹介されている場所は、東京からですとほぼ日帰り圏となり、手軽に行けるところが多いです。自分も、お気に入りの「猫町紀行」の舞台となった「犬目宿」など、実際に行って歩いてみたことがあります。当時の面影を感じさせてくれる場所も少なからずありましたが、今となっては特にひなびた温泉宿が少なくなるなど、当時のわびしさが薄れてきているような気がしてなりません。であるがゆえに、貴重な写真とともにつづられたこの旅行記には価値があり、「昭和」がここにも光を放っているのだといえます。
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Sandy
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作品の中でしか味わえない世界
つげ義春は、旅を扱った作品(漫画)をいくつか発表してきました。この作品は創作の元になった旅(家族旅行)を綴った紀行文です。この人の作品によく出てくる、鄙びた場所、温泉、みやげもの屋、廃墟などが随所に出てきて「つげワールド」に引き込まれます。私の友人で、この作品を読んで実際にその場所を訪れたところ、見違えるくらい開発されてしまって情緒も何も感じられなかったようです。もはや作品の中だけでしか味わえない世界といったところでしょうか。奥さんと子供との家族旅行なのについ孤独になってしまう著者の心情もコミカルに描かれていて笑いを誘います。写真、スケッチも豊富。
昭和40年代から50年代の旅行記ですが、時代背景と作者の志向があいまって、貧困という言葉とともに、「隠遁」「漂白」などの言葉が似合う、どこかしらわびしさを感じさせる内容となっています。紹介されている場所は、東京からですとほぼ日帰り圏となり、手軽に行けるところが多いです。自分も、お気に入りの「猫町紀行」の舞台となった「犬目宿」など、実際に行って歩いてみたことがあります。当時の面影を感じさせてくれる場所も少なからずありましたが、今となっては特にひなびた温泉宿が少なくなるなど、当時のわびしさが薄れてきているような気がしてなりません。であるがゆえに、貴重な写真とともにつづられたこの旅行記には価値があり、「昭和」がここにも光を放っているのだといえます。
石川敏晴/編集長 JTB時刻表
3 SPECIAL BOOKS掲載日:2012/12/27
【情報提供・3 SPECIAL BOOKS】