この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- フランス革命の女たち
-
価格:825円(本体750円+税)
【2024年02月発売】
- 図説呪われたアメリカの歴史
-
価格:3,080円(本体2,800円+税)
【2018年05月発売】
- ナチスから図書館を守った人たち
-
価格:2,750円(本体2,500円+税)
【2019年02月発売】
- 古代ギリシアと商業ネットワーク
-
価格:4,400円(本体4,000円+税)
【2023年03月発売】
- 新しく学ぶフランス史
-
価格:3,080円(本体2,800円+税)
【2019年11月発売】
[BOOKデータベースより]
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(一八八六‐一九五四)は、二〇世紀前半を代表する指揮者として、現在でもなお高い人気を誇る。しかし一方で、彼はナチス政権獲得から第二次世界大戦後まで、「政治と芸術」の関係に翻弄される運命を受け入れざるを得なかった。本書は、指揮者の父で著名な考古学者であるアドルフをはじめ、フルトヴェングラー家の人々の多くが、古典的教養を獲得した自由な市民であり、ゲーテとシラーによって構想された「ドイツ教養主義」を体現しようとした点に着目する。そして、カリスマ的指揮者フルトヴェングラーを生んだドイツ教養主義の展開と、その背景となった「市民社会」が、二度の世界大戦によって衰退から滅亡にいたる道筋をたどる、野心的著作である。
第1章 「感情の揺れる階梯の上で」―失われた美を求める神経質な学者
第2章 「耳を聾する轟音から誇らしげに遠ざかって」―生の索漠たる岸辺に立つ若き市民たちの悩み
第3章 「音楽こそ祖国」―ドイツ的教養の聖なる芸術
第4章 「彼の芸術からは常に無限の幸福感を生む音が流れ出てくるだろう」―人間を捉える指揮者にして、聴衆のいない作曲家
第5章 「私を招き、私に憧れ、引く手あまたの私」―芸術の力の大規模な産業化
第6章 「フィルハーモニーの響きは自然の産物」―ウィーンの柔らかな音と北ドイツ的な音色
第7章 「我々芸術家は政治に関与すべからず」―権力者に接近はするが、心の内では留保
第8章 「協力を楯に抵抗」―市民的なジレンマ、権力なしでは人の言うなりだ
第9章 「美も死なねばならない」―すべてイメージ化された商品世界における教養市民の絶望